太阳放射コンソーシアム设立趣意书.PDF

太陽放射コンソーシアム設立趣意書 ２０１３年７月２日　発足 １．はじめ 　本コンソーシアムは衛星観測データに基づく太陽放射データ等の利用を通じて社会への貢献を果た すことを目指して設立されます。これまで気候研究の分野で培われた放射を取り扱う技術の研究成果 を広く多くの分野へ提供し、他分野と相互の協力を高めることで新しい科学と技術の可能性を模索し ます。また、様々な分野の企業と協力し高い技術力を広く社会へ役立てるための活動を展開します。 　日射量は気象・気候における基礎的な物理量の一つですが、衛星観測に基づく日射量は面的な分布 の情報を持つためエネルギーや農業における利用などが考えられています。今現在、日本は東日本大 震災を転換点として大きな変化を促されており、これまでより多様で強固な社会インフラの構築が求 められています。特に震災によって顕在化したエネルギー問題に関して再生可能エネルギーへの関心 は高く、太陽光発電・太陽熱利用など、地球に降り注ぐ太陽エネルギーの利用は急速に技術開発が進 行している重要な時期にあたります。また、面的な日射量データは農作物の育成状態の把握と収量予 測の基礎データにも応用が可能であることから、農業利用も含めた食料安全保障への貢献もひとつの 目標となります。今まさに、様々な分野の連携が必要とされており、 分野の壁を取り払って密に連携 し結果に繋げて行かなければなりません。従って、本コンソーシアムは再生可能エネルギー（太陽光 発電、太陽熱利用）、農業利用、食料安全保障など他分野へ応用可能な太陽放射データ、即ち面的日 射量のデータを必要とされている皆様へ広く提供することで太陽放射利用の礎とします。また、積極 的に産学官の連携を促進して最新技術を取り入れた研究・ビジネスの展開を推進し社会の活性化に貢 献します。さらに、世界への貢献として、この活動を世界展開することで人類を豊かにするための科 学と技術のあるべき姿を模索します。 キーワード 　IPCC-SRREN、PV2030+、太陽光発電、太陽熱利用、食料安全保障、農作物収量、バイオマス しいものとなっており気候研究において重要な ２．設立の背景と理念、及び目的 問題として位置づけられています。 　太陽放射は地球表層の気象・気候を駆動する 　地表面における下向き太陽放射、即ち日射量 唯一のエネルギー源です。地球は太陽放射を受 の推定は古くから様々な手法で試みられていま けて温まる一方で、その温度 伴う地球放射(赤 すが、気象学の分野における日射量の推定は大 外放射)によってエネルギーを宇宙に射出してい きく三つの手法に分類されます。 ます。これら加熱と冷却の作用によって地球は （１）実観測値に基づく回帰分析モデル。地上 生物が生存可能な環境に保たれています。地球 に設置した日射計によって観測された日射量と 表層の環境を現在の状態に保っているのは大気 気象場のパラメータを結びつけ、統計的に大気 ですが、大気が持ってると考えられている地球 の透過率を表現することで日射量を計算する手 のエネルギー収支 対する効果は未だ定量的 法。計算量が少ないため高速に作動する点 優 解明されてません。特 は太陽放射を反射し 位性がありますが、明確な物理モデルを持たな 地球を冷却する効果と地球放射を吸収・再放射 いため対応条件には限界があり、観測値 依存 することで地球を保温する効果を併せ持ちます するため回帰分析として変化 対し常 統計を が、 の発生・発達は蒸発散や降水など地球大 取り続ける必要があります。また、統計と異な 気系の水循環をはじめとする他要素との複雑な る傾向を持つ場所への適用は困難です。 フィードバ ック結合によって関係づけられるた