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110 生物膜による排水処理について* 王子製紙株式会社技術本部技術部 野 間 俊 哉 Waste Water Treatment by Aerobic Biofilm Toshiya Noma Technology Engineering Dept. Oji Paper Co., Ltd. In the pulp and paper industry, biological treatment of waste water is commonly em- ployed, Activated sludge treatment (AST) is well known. Lately, in Japan, regulation to mill effluent has become more stringent, which suggests to apply a new technology besides AST. We Oji paper, have chosen Aerobic Biofilm sys- tem to meet regulation. This report introduces the aerobic biofilm systems installed at our mills and those operating experiences. Keywords: Biological waste water treatment, Activated sludge, Aerobic biorilm 濁処理が可能で経済的でもある 「生物膜処理設備」に 1.　 は じ め に 注目し,導 入を進めてきた。現在,生 物膜処理設備は 現在,王 子製紙は,日 本全国に17工 場を有してい 4工 場で5基 が稼働 しており,さ らに,数 基を計画 ・ るが,製 造しているパルプ ・紙製品は多種多様であり, 検討中である。 その処理する排水の基質も工場ごとに異なっている。 本稿においては,当 社で稼働中の5基 に,関 係会社 従って,排 水処理設備も,物 理的処理設備(単 純,凝 4工 場で稼働中の4基 を加えた9基 の生物膜処理設備 集沈殿設備他)や 生物処理設備などを組み合わせ,そ について調査を行った結果を基に,設 備の特徴および, れぞれの基質に合わせたフローとなっているが,有 機 操業状況について紹介する。 性排水の処理設備としては,生 物処理設備を一般的に なお,本 稿中で使用 しているBOD・COD濃 度は, 使用している。 全BOD(T-BODSS分 込み)・ 全COD(T-COD) その生物処理設備の中で,最 も多く使用されている を示す。 のは活性汚泥処理設備で,17工 場中16工 場に設置さ 2.　 生物膜処理設備 とは れており,現 在のところ生物処理の主流を占めている が,最 近の排水規制強化や増産に伴い,さ らにもう一 有機性排水を処理するため,生 物による有機物の酸 段の処理が必要になった場合や,発 生する原水がもと 化分解作用を利用 して,BOD成 分の除去および, もと低汚濁(