争点整理表-九州川内诉讼.PDFVIP

平成２７年（ラ）第３３号 川内原発稼働等差止仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件 争点整理表 平成２７年８月１９日 福岡高等裁判所宮崎支部 御中 抗告人ら訴訟代理人 弁護士 森 雅 美 同 板 井 優 同 後 藤 好 成 同 白 鳥 努 外 川内原発差止仮処分（抗告審）争点整理表 争点項目 原決定 頁 抗告人ら（債権者ら） 書面 証拠 被抗告人（債務者） 書面 証拠 争点１　司法審査の在り方 1 本件原子炉施設に求められる安全性 (1) 福島第一原発事故と同様の過酷事故は、万が一に 福島第一原発における事故の甚大な被害に思 82 福島第一原発事故と同様の過酷事故は、万が 抗告状 ‐ も起こってはならないと考えるか いを致せば、本件原子炉施設の再稼働の適否 一にも起こってはならない。 補充6 を判断するに当たっても、このような災害が 万が一にも起こらないようにするため、その 安全性を十分に確保すべきである。 (2) 新規制基準の策定における行政庁の専門技術的裁 新規制基準は、福島第一原発における事故の 83 (1)に照らして、新規制基準には極めて高度 抗告状 ‐ 量の範囲 経験等も踏まえた最新の科学的知見に照ら の安全性が要求されており、専門技術的裁量 補充6 し、十分な合理性が担保されたものでなけれ の範囲は極めて限定的に解されなければなら ばならない。 ない。 (3) 本件原子炉施設に求められる安全性の意義 重大事故発生の危険性を社会通念上無視し得 85 過酷事故は絶対に起こってはならないという 抗告状 ‐ る程度に小さなものに保つこと。 意味での限定的絶対的安全性、あるいは、福 補充6 島原発事故のような深刻な災害が万が一にも 起こらないといえる程度の極めて高度な安全 性。 (4) 有益性を、原発の安全性を下げる方向に考慮する ‐ ‐ 原発事故によって害される利益は人の生命、 補充6 ‐ ことが許されるか。