火山活动と火成岩.PDF

テレビ学習メモ 地学基礎 監修講師：田中義洋 第3編　地　球 第27回 火山活動と火成岩 今回学ぶこと 火山と言っても，さまざまな形をしていて，噴火のようすもさまざまです。火山 活動の多様性は何によって決まっているのでしょうか。そして，マグマが固まってで きた火成岩は，その中に含まれる造岩鉱物に違いが見られます。造岩鉱物にはど のようなものがあるのでしょうか。また，火成岩には，粒の大きさや色のようすなど， いろいろと見かけの違うものがあります。火成岩を分類するには，どのようにした らよいのでしょうか。それでは，火山活動と火成岩についてみていきましょう。 造岩鉱物 火山の噴火のしかたや火山の形は，それぞれの火 いマグマでは，大爆発を起こしやすく，溶岩が流れ 山のマグマの性質によって決まっている。マグマの にくいので，溶岩が盛り上がって溶岩ドームとなる。 粘り気が低いほど溶岩は流れやすい。マグマの温度 盾状火山の例としては，ハワイのキラウエア，溶 ▼ が高いほど，その粘り気は低く，マグマの温度が低 岩ドームの例としては，雲仙普賢岳の平成新山があ いほど，その粘り気は高くなっている。そのため， る。日本では，溶岩の流出と火山弾や火山灰の噴出 粘り気が低いマグマでは，比較的穏やかな噴火をし， が交互に起こって，これらの層が繰り返し積もって 溶岩が流れやすいので，マグマが繰り返し噴出する できる成層火山が多い。成層火山の例としては富士 と，なだらかな盾状火山となる。一方，粘り気が高 山がある。 火成岩の分類 岩石はケイ素と酸素からおもにできていて，岩 石，黒雲母，石英，カリ長石，斜長石の７種類がある。 石をつくっている主な鉱物のことを造岩鉱物とい 鉄やマグネシウムを含む鉱物は黒っぽいものが多く， う。造岩鉱物の代表には，かんらん石，輝石，角閃 有色鉱物という。一方，鉄やマグネシウムを含まな − 53 − 高校講座・学習メモ 地学基礎  火山活動と火成岩 い鉱物は白っぽいものが多く，無色鉱物という。代 色鉱物である。 表的な造岩鉱物のうち，かんらん石，輝石，角閃石， 　火成岩は有色鉱物を多く含んでいれば，色が濃 黒雲母は有色鉱物で，石英，カリ長石，斜長石は無 くなり，無色鉱物を多く含んでいれば，色は薄くなる。 ホットスポットと火山 火成岩は地下の深い所で，マグマがゆっくり冷え 結晶やガラス（石基）とが混じっている。 て固まった深成岩と，地表や地表に近い所で，マグ また，火成岩に含まれている二酸化ケイ素の割合 マが急に冷えて固まった火山岩とに分けられる。深 によっても分けることができる。玄武岩の二酸化ケ 成岩はゆっくり冷えたので，同じようなサイズの大 イ素の割合はおよそ 50％，花こう岩はおよそ 70％ きな鉱物の結晶からなり，火山岩は急に冷えたので，