寿命推定.PDF

平成１７年１２月２日作成 １．よくある質問事項 Q;一般配管用ステンレス鋼管(JISG3448)用メカニカル継手 に使用されているゴムパッキンの寿命はどの程度と考えれ ばよいのですか？ A ；メカニカル継手の種類によって、ゴムパッキンの材質、 形状、使用方法（扁平･縮径）が異なりますが、実際の使 用条件よりも過酷な状態で促進試験を実施して、それぞ れの継手の特性に応じた寿命予測を行い、80℃連続使 用において、40年以上になるように設計されています。 なお､ステンレス協会規格(SAS322一般配管用ステン レス鋼管の管継手性能基準)におけるメカニカル継手の 現在までの使用実績は、プレス式25年、拡管式は22年 経過しています。この中で、歴史が長い継手において、 実装配管（給湯）から、サンプリングを行なった結果、ゴ ムパッキンは寿命予測に極めて近い状態を保持している ことが確認されています。 ２．ｺﾞﾑ材料［解説］ ゴム材料の寿命はアレニウス反応速度式を採用し算定する。 この根拠は、長期間熱老化、または自然老化試験を行なった結果、、伸びは のアレニウス反応速度論が成立し、今日寿命予測として広く採用されており、こ れより求めた予測値は実績値に極めて近い。 すなわち､反応速度は温度によって著しく影響され、この反応の速度定数と温 度の関係は経験的に k = Ae-E/RT ここで ｋ ；反応速度定数 Ａ ；頻度因子 Ｅ ；反応の活性化エネルギー Ｒ ；ガス定数 Ｔ ；絶対温度である。 ｌｏｇｋを 1/T に対応してプロットすると傾きが E/2.303R、切片がlog A を与え る直線となり、ＡとＥの値が求められる。 一般的にこれをゴムの寿命予測に用いる場合は、横軸を絶対温度の逆数に、 寿命予測を行なう方法にも用いられている。 ３．実体による促進劣化試験(SAS322規格) 1.試験方法 図に示す装置に管継手と管を接合した供試材に水道水を適量入れ、恒温槽内にて加熱する。管内温度が常時表1の t1 になるように槽内温度t2をコントロールする。表1に示すいずれかの試験条件により加熱試験した供試材を恒温 2 2 槽から取り出し、常温まで冷却した後、0.02MPa｛0.2kgf/㎝ ｝及び1.0MPa{10.2kgf/㎝ ｝の水圧を加え、それぞれ2分 間保持したとき、漏れその他の異常のないことを確認する。 2.試験結果 ４．冷温水サイクル試験 1.試験方法 各呼び径の継手を図のように配管し、温度80℃以上の温水及び常温の水を10分毎 に1000サイクル通水 した後常温にして、2.5MPa｛25.5kgf/ｃ㎡｝の水圧を加え、漏れ、 その他の異常がない事を確認する。 2.試験結果 5 社内試験は昭和62年10月から平成4年8月まで10回実施 各サイズ共漏れ、ナットの緩み等の異常は認められない。 ５．JISK６３０１(現在はJIS K 6262に変更となっている) 加硫ゴム物理試験方法、圧縮永久ひずみ試験 １．目的 静的な圧縮やせん断力を受ける部分に用いられる加硫ｺﾞﾑの 加熱圧縮による残留ひずみを測定するために行う。 ２．試験片寸法 厚さ 12.7±0.13mm、直径29.0mmの直円柱形 ３．試験装置 ４．測定方法 熱処理後試験片をすばやく圧縮装置から取り出して室温 その間、木机の上に置く。 ５．計算 CS=ｔ０－ｔ１／ｔ０－ｔ２×100 CS ：圧縮永久ひずみ率(％) ｔ０ ：試験片の原厚(mm) ｔ１ ：試験片を圧縮装置から取り出し、30分後の厚さ(mm) ｔ２ ：ｽﾍﾟｰｻｰの厚さ(mm) ６．記録 1)