数値的相対论-yukawa.kyoto.PDF

柴田 大 (東大総合文化) 内 容 1. イントロダクション 2. 数値的相対論において必要な要素 3. 現状：コードはどこまで進んだのか 4.３Ｄ計算の現状 特に、連星中性子星の合体（我々の結果より） 6．まとめ 7．今後の課題と展望 1 （Ａ）第0イントロダクション 一般相対論的天体 ‐中性子星、ブラックホール、それらの近接連星、宇宙全体‐ のダイナミクスを調べたいのならば、アイシュタイン方程式を 解かなくてはならない。 → アインシュタイン方程式＝連立非線形偏微分方程式。 → → 数値的相対論 （Ｂ）調べる必要があるほど重要な問題があるのか？ＹＥＳ い）重力波天文学が始まりつつある。 ＴＡＭＡ，ＬＩＧＯ（米），ＧＥＯ（独・英）が稼動中 → さらに次期ＬＩＧＯ、ＬＣＧＴ → 連星の合体や星の重力崩壊により発生する重力波の波形 を理論的に予測しなくてはならない （Ｂ） ろ）解明すべき興味深い天体物理的問題がある。 －ブラックホールの形成過程(重力崩壊、対生成不安定) － 連星中性子星 の合体 ブラックホール ＋中性子星 高速回転 ブラックホール＋ディスクを 重力崩壊 作ってみせたい （Ｂ） （は）一般相対論的現象は観測するのが難しい - 現実的に起こっていると予想できるが、観測できない 現象を計算機上で明らかにする。 - 現実には起こらないかもしれないが、一般相対論の 特色が暴かれうる原理的問題を明らかにする。 → 実際に過去に、面白い現象を明らかにしてきた。 例１：Spindle naked singularity (Nakamura, Shapiro-Teukolsky) 例２：Critical behavior (Choptuik) 例３：Toroidal black hole (Shapiro-Teukolsky) 今後も何か面白い発見があるかもしれない ２- １．基礎方程式 ・アインシュタイン方程式 ・相対論的物質場に対する発展方程式： 相対論的流体（あるいは相対論的粒子、スカラー場） G G 8π T µν 4 µν c  µ  ∇ T 0  µ ν    ∇µ (ρ uµ ) 0 