第5学年A组国语科学习指导案-aes.akita.PDF

第５学年Ａ組 国語科学習指導案 授 業 者 大庭 珠枝 研究協力者 阿部 昇，成田 雅樹 １ 単元名 親しもう 古典の世界Ⅱ 「枕草子」 ２ 子どもと単元 (1) 子どもについて 子どもたちは，「親しもう 古典の世界 Ⅰ『竹取物語』」の学習で，「竹取物語」の冒頭部 分を読むことを経験している。言葉のリズムを感じ取りながら音読や暗唱をすることに意欲 的に取り組み，かつて読んだ 「かぐや姫」の絵本を想起しながら，原文からおおよその内容 をとらえることができた。また，物語の典型的な書き出しの後に事件が起こるという構成を つかみ，現代の物語文と同じように書かれていることへの驚きをもって読み取る姿が見られ た。古典に興味をもち，身近なものとして感じ始めていることが伺われる。 (2) 単元について 子どもたちが古典に親しみをもち，そのおもしろさを感じ取るには，古典を特別な作品と して読むのではなく，既習の現代文による作品同様に読むことのできる身近な作品であると いう実感をもつことが必要であると考える。そのためには，次のような学習活動を取り入れ ることが有効であると考える。一つ目は，内容の大体を知り音読や暗唱をすることに加えて， 表現や仕掛けに着目して読み深めること，二つ目は，昔の人と自分のものの見方や感じ方を 比較すること，三つ目は，読みの学びを生かして創作に取り組むことである。 本単元では，古典への親しみを深める教材として 「枕草子」の第一段を取り上げる。「枕 草子」は，清少納言による日本最古の随筆である。第一段では，体言止めや対比などの技法 を用いて，それぞれの季節への思いが簡潔に生き生きと表現されている。リズミカルでテン ポもよく，読みやすい文体である。また，作者の季節感には，現代にも共通する部分 （無条 件によいもの）があると同時に，読者の予想や期待の裏をかくような独特な視点 （見方を変 えるとよく思えるもの）もあり，そこが第一段のおもしろさの一つにもなっている。 上記のような作品の魅力に気付くことができるよう，言葉に着目しながら読み深める力を 育てたい。そして，古典に一層親しみをもち枕草子の別の章段や他作品を進んで読んだり， 今後の創作に本単元での読み取りを生かしたりする子どもたちの姿を期待して，本単元を設 定した。 (3) 指導について 「枕草子」は，「竹取物語」とは異なり，多くの子どもたちにとって初めて出会う作品で あると予想される。そこで，子どもたちにもなじみ深い作者による現代の随筆を紹介して「随 筆」というジャンルについて知らせたり，教師が創作した 「枕草子～珠枝バージョン～」を 紹介して 「をかし」の意味について知らせたりしてから作品に出会わせることにより，興味 をもって読み進めることができるようにする。そして，「心に感じたことを自由に書き記し ただけの随筆 『枕草子』が，なぜ千年以上もの長きにわたって読み継がれてきたのだろう」 と問いかけ，その秘密を探っていこうとする読みのめあてを設定する。 第一段から読み取ることのできる 「秘密」には，リズムのよさ，巧みな表現技法による分 かりやすさ，内容の意外性が挙げられる。そこで，繰り返し音読してリズムのよさを味わわ せたり，既習の表現技法が用いられている箇所を探したりする活動を取り入れる。内容の意 外性については，子どもたちが自力で気付くことは難しいと思われるので，「清少納言が『よ い』と感じているものは，『無条件によいもの』と 『見方を変えるとよく思えるもの』の二 種類に分類できる」という読みの視点を与え，言葉を手がかりに読み深めることができるよ うにしていく。そして，清少納言と自分のものの見方や感じ方を比べることを通して，似て いる部分もあるけれど新たに気付かされる部分もあり，それこそがこの作品の魅力であると 感じることができるようにしていきたい。 ３ 単元の目標 〈記号は本校の資質 ・能力表による〉 (1) 「枕草子」第一段について，言葉の