第6学年国语科学习指导案-saga.PDF

第６学年国語科学習指導案 単元名 豊かな日本語の使い手になろう 教材名 「雨のいろいろ」倉持 保男 （東京書籍 小学校６年下） 「数え方でみがく日本語」飯田 朝子 （東京書籍 小学校６年下） １ 単元について (1) 児童観 児童は，今年度「新聞の投書を読み比べよう」の学習において，４つの新聞投書を読み比べ，そ れぞれの読み手を説得するための根拠の挙げ方を読み取る学習を行っている。また，「未来に生か す自然のエネルギー」の学習では，筆者の資料の示し方や具体例の挙げ方に着目しながら教材文を 読み取り，持続可能な社会づくりを呼びかけるリーフレットを作成する活動を行っている。しかし， 筆者が論を進める上で用いている様々な叙述の工夫を読み取るまでには至っていない。そこで，そ のような叙述の工夫を用いて意見を述べている文章を，その効果について考えながら読み取る学習 に取り組ませる必要があると考える。意見文を書く活動に関しては，今年度「『わたしの意見』を 書こう」という「書くこと」領域の学習で経験している。 (2) 教材観 小学６年生は，３学期になると小学校卒業を間近に控え，様々な場面でこれまでの小学校生活を 振り返る機会に直面する。本単元では，小学校での国語の学習を振り返り，その総まとめとして自 分と日本語との関わりについて考えさせたい。 教材として，日本語に関して意見を述べた２つの説明的な文章を取り扱う。「雨のいろいろ」は， 雨の様々な呼び方に着目し，日本人の生活と雨の関係について述べている。「数え方でみがく日本 語」は，ものの数え方に着目し，日本語が本来持っている力を発揮させるべきであるという意見を 述べている。２つの文章の共通点は，児童にとって身近な具体例を数多く挙げながら，日本語の特 徴やよさを述べていることである。相違点は，「雨のいろいろ」が客観的な事実を基に考察した結 果を簡潔にまとめて結んでいるのに対して，「数え方でみがく日本語」は，問いかけや語りかけの 表現，比喩表現を用いながら，読み手に対しての提案まで含まれた強い主張を行っている点である。 この２つの文章は，それらの共通点や相違点に着目しながら文章構成や要旨を読み取らせ，日本語 の特徴や使い方についての考えをもたせるのに適した教材であると考える。 (3) 指導観 本単元では，日本語の特徴や使い方についての考えを意見文にまとめるために，意見を述べた文 章や解説の文章などを利用する(「Ｃ読むこと」(２)イ)活動を言語活動として設定する。 第１次では，これまでの国語の学習を振り返って日本語についての意見文を書き，卒業文集に掲 載することを提示し，学習の見通しをもたせる。また，意見文を書くために，筆者が用いている叙 述の工夫(「説明の技」)に着目しながら要旨を捉え，日本語の特徴や使い方について考えを深める という学習の流れを把握させることで，児童に読みの必然性をもたせたい。 第２次では，筆者がどのような主張を行っているのか，また，その主張を行うためにどのような 「説明の技」を用いているのかについて，２つの文章を比べながら読み取らせる。「説明の技」に ついては，「具体例をたくさん挙げる」「物事に対する見方を変えて，新しい見方を示す」「問いか けや語りかけの表現を使う」「比喩表現を使う」ということについて読み取らせていきたい。 第３次では，日本語の特徴や使い方についてのテーマを考えて，意見文にまとめさせる。その際， 教材文で読み取ったことを生かすために，「説明の技」を活用しながら自分の意見を述べさせるよ うにする。 第４次では，それぞれの意見文を読み合い，感想を交流させる。２つの文章から読み取った「説 明の技」が意見文にどのように生かせたのかについて振り返らせ，これから生活していく上で日本 語とどのように関わっていくのかについて考えさせたい。意見文は，卒業文集に掲載する。そうす ることで，児童が学習の成果を小学校での国語の学習の総まとめとして実感できるようにしたい。 ２ 単元の目標 日本語の特徴や使い方についての考えを意見文にまとめることを通して，筆者が論を進める上で用 いている叙述の工夫(「説明の技」)に着目しながら要旨を捉えることができる。