帝京大学医学部附属病院中央検査部1),同微生物学.PDFVIP

24 産生す るExtended-Spectrumβ-Lactamase(ESBL)に 関す る基礎 的研究― 第2報 帝京大学医学部附属病院中央検査部1),同 微生物学講座2),北里大学医学部微生物学3) 川上小夜子1)斧 康雄2)山 本 美和1)松 村 充1) 岡本 了一3)井 上 松久3)宮 澤 幸久1) (平成11年3月16日 受付) (平成11年11月10日 受理) Key words: Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, PCR, extended-spectrum 13- lactamase (ESBL), plasmid 要 旨 で9/11株(81.8%),K.pneumoniaeで21/22株(95.5%)の合計30株 において受容菌に伝達された.接 dime(CAZ):0～8.6%,aztreonam(AZT):0～56%とCTXが最も高かった.P/Cア ーゼテストでは リーディングフレームを含む領域をクローニングし,DNA塩 基配列を解析した.そ の結果,ア ルゼンチ 同性を有することが明らかとなった.それを基にプライマーを設計しPCR法 により遺伝子の検索を実施 したところ,33株 全てにおいて同一プライマーで増幅される遺伝子の存在が認められた. 〔感染症誌74:24～29,2000〕 序 文 MIC)パ ターンは,欧 米分離のESBL産 生菌と多 近年,当 院において も第3世 代cephalosporin 系 薬 に高 度 耐 性 を示 しExtended-Spectrum少異なっている2).今 β- 回,当 院で分離されたcefo- Lactamase(ESBL)の産生が疑われるEscherichia coliやKlebsiella pneumoniaeの 検 出頻度が増加 し ている1).こ れら分離菌の各種抗菌薬 に対す る薬 が 産生 す るβ-lactamaseを 詳細 に解析す る 目的 で,各 種の基礎的検討を行った. 別刷請求先:(〒173-8060)東 京都板橋区加賀2-11-1 帝京大学医学部附属病院中央検査部 I　材料および方法 川上小夜子 1.　被験菌株 感染症学雑誌　第74巻　第1号 当院分離のESBLに 関する基礎的研究 25 すでに第1報 で報告 したCTXに 高度耐性を示 Table 1 Transfer to E. coli K-12X 1037 or E. coli し,当 院での代表的なESBL産 生が疑われ るE. ML4909 strain by conjugation of R-plasmid coli11株 とK.pneumoniae22株 の合計33株 を使 用した1). 2.　CTX耐 性plasmidの 接合伝達 接合伝達実験は液体培養法3)に従い,プ ラス ミド 解析用