4-5p0203【入稿用】①静冈若林努.PDFVIP

東海をもっと好きになる！ 技術分野の実践例・授業提案 風力発電機の製作 ～「エネルギー変換に関する技術」領域における，新しい題材の開発～ １．題材名 「風力発電に挑戦！」（第２学年） いうものである。もう少し平易に解き明かしたのがフ ２．題材観 レミングの右手の法則で，磁場と導線，電流の３つの （1） はじめに 間の関係をわかりやすく説明している。このことがわ 最近，テレビや新聞など様々な場面でエコ，省エネ， かってくると，日常の生活の中で恩恵を受けている発電 地球環境，地球温暖化といった言葉を耳にすることが 機やモーターなどの仕組みが理解でき，実際に発電機を 多くなった。世界のエネルギー消費量が着実に増加し， 開発していく中で，さらに理解が深まっていくだろう。 それに伴って，地球に対する環境破壊も進み，私たち 発電容量を増やすためには，ファラデーの電磁誘導 の住む地球が悲鳴をあげているのである。とりわけ， の法則［ｅ＝－ｎ⊿φ／⊿ｔ］から，ｎ（巻き数）を エコという言葉を頻繁に耳にするようになったのは， 増やすか，⊿φ（磁束の変化）を増やすことが考えら このような現状を私たち市民レベルで何とかしていこ れる。今回は磁束の変化を増すために，フェライト磁 うという気運が高まってきたからであろう。そして， 石より数倍強力なネオジウム磁石を用意する予定であ 太陽光や風力などの自然エネルギーを利用して発電す るが，それ以外のコイルの巻き数やコイルと磁石の数， る，新エネルギーへの取り組みも盛んになってきている。 コイルに巻くエナメル線の太さなどについては，子ど 私が通勤に利用している道路にも，小型の風力発電 もたちが試行錯誤しながら，より優れた発電機をめざ 機が設置されるようになった。風の力と太陽光を利用 して追求していくことになるだろう。 して自家発電し，その電気を常夜灯として活用してい また，コイルと磁石の距離が短ければ短いほど，磁 るのである。見た目もかっこ 束密度が大きくなり，効率よく発電することができる いいが，その小さなボディの ようになる。この距離をいかに縮めた発電機の製作が 中に隠されている，風の力が できるかが，より優れた発電機を製作するためには大 電力に変換される仕組みに興 変重要なポイントとなるであろう。 味を抱いた。そして，「クリー 子どもたちにとって，理科で学習したファラデーの ンで尽きることのない風の力 電磁誘導やフレミングの右手の法則などの既習の知識 を，自分の力で電気に変えて や製作の過程で生まれた発想をフル活用しながら，よ みたい」という製作意欲がわ り優れた発電機の開発に取り組んでいくことは，発電 いてきたのである。 機の研究に携わる人々が追い求めている「より効率の （2） 本題材のおもしろさ よい発電機の追求」と同質の営みであり，発電機製作 今回，風力発電機を製作し，実際に動かしていく中 のおもしろさではないだろうか。 で，次のようなおもしろさを実感した。 ② 効率よく風力を活用するおもしろさ ① より優れた発電機を開発するおもしろさ 風は世界中どこの場所でも