干涉画像中に十分广い地壳变动.PDFVIP

うことが現時点では行われている。 しかしこの手法では、干渉画像中に十分広い地殻変動がない領域が存在し、かつその位置が既知で あることが前提となる。そのため軌道情報の推定にある程度の恣意性が介入られた地殻変動マップし、得 に長波長の誤差が含まれる可能性がある。またシーンの大半が海に覆われている場合など、そもそも地 殻変動がない部分を十分確保できないケースも存在する。これを回避するためには軌道情報の推定に 他観測手段によるグラウンドトゥルースを組み込むことが有用である。その際、他観測手段められるもに求 のは、1)SARレーダーによる観測と同期した地殻変動量が求められる、2)InSARによる地殻変動観測と同 程度かそれ以上の精度をもつ、3)1シーン中に最低でも数点の観測点が含まれる、の3点である。以上か ら、軌道情報の推定に用いるグラウンドトゥルースとしては日本国内ではGPSが最適であると考えられる。 GPSによる軌道情報推定の高精度化を実現するために、本年度は地殻変動を含み、かつそれが画像 中の一部のみである場合には長周期の位相誤差は十分小さいと仮定し、他観測と比較する際に問題と なりうる要因について検証した。テストサイトには2007年7月に地震のあった新潟県中越地方、2007年4 月に大規模な噴火があったフルネーズ火山（フランス領レユニオン島）、1990年代からガスの採取による 地盤沈下地域である千葉県九十九里平野の３ケースを用いた。 2007年新潟県年新潟県中越沖地震に伴う地殻変動 図3-1-1.5-1に2007年1月16日と7月19日に観測されたPALSAR画像から得られた地殻変動マッ プと、2006年9月11日と2007年9月14日に観測されたPALSAR画像から得られた地殻変動マップを 示す。地震による地殻変動はシーンの約1/10の領域を占めるのみであり、GPSによる観測によってその 他の地域での地殻変動が微小であることが既知であるため、前章べた仮定が成り立つ。精度評価ので述 ための比較対象には産業技術総合研究所活断層研究センターによるカキの分布高度から求めた隆起量 を用いた。InSARによる観測では衛星の視線方向の変位のみしか検出されないため、仮に実際の変位方 向が鉛直方向であるとした場合の隆起量を表3-1-1.5-2に示す。 計算された隆起量が実測値と一致しないのは、実際の変位方向が鉛直方向であるとした仮定が間違 っていたためであると考えられる。 アセンディング、ディセンディング両観測のデータがある場合には、両観測の視線ベクトルを含む平面 上での2次元変位を求めることができる（図3-1-1.5-2）。今回解析したペアの組み合わせでは、この平面 の鉛直線とのなす角が約 8°とほぼ鉛直方向であるため、これを準鉛直成分としてカキの分布高度から 求められた隆起量と比較した結果、荒浜漁港を除く3点ではよく一致した（表3-1-1.5-3）。荒浜漁港では 30cmもの差が見られるが、その原因は不明である。 3-27 図13-1-1.5-１PALSARから得られた中越沖地震による地殻変動マップ。色の１サイクルは11.8cm の視線距離の変化を表し、水色→黄色→紫色の色の変化が衛星に近づく方向を表す。また灰色の部 分はアンラッピングできなかった部分を表す。左）ディセンディング画像(2007年1月16日～7月19日) 右）アセンディング画像(2006年9月11日～2007年9月14日) 表3-1-1.5-2カキの分布高度から求められた隆起量実際の変位が鉛直方向であると、 と仮定した場合のアセンディング、ディセンディング各画像から求めた隆起量との比較 出雲崎 石地漁港 椎谷漁港 荒浜漁港 カキの分布高度 +10cm +15cm +25cm +10cm ディセンディング +14.6cm+23.5cm28.8cm+ -30.8cm アセンディング +1.0cm +5.1cm +14.1cm -4.2cm 図3-1-1.5-2Ascending、Descending両観測つの視線ベクトルを含む平面上での2次元変位とと２ の関係。両観測から赤矢印で示したような変位量が得ら