第Ⅱ部各论.PDFVIP

第Ⅱ部　各　　論 第１章　既存資料解析 １－１　地質概要 ボリヴィアの地質はプレカンブリア紀，古生代，中生代，第三紀と第四紀層および中生代と第 三紀火成岩の貫入岩から構成されている （Fig.Ⅰ-3-1）。 　地質構造区は細かく８つに分かれ，西から東へ，西アンデス，西アルチプラーノ，東アルチ プラーノ，東アンデス，インターアンデス，サブアンデス，ベニ・チャコ平原，アマゾンクラト ンと呼ばれる(Fig.Ⅱ-1-1)。 調査対象地域は西アンデスとアルチプラーノに属する。 １）西アンデス 西アンデスには，中～古生界基盤岩類の南北性隆起軸に沿って噴出した第三紀～現世の火山岩 類が広範に分布し，火山体の間には陸成～浅海成の堆積物が存在している。 西アンデスは，西部の優地向斜―火山弧と東部の劣地向斜から構成され，ヘルシニア造山運動 に引き続き漸新世後期に始まったナスカプレートの南米プレートへの沈み込み（アンデス造山運 動）に呼応して発達した。この火山活動に伴って，多数の成層火山が形成されている。 劣地向斜の頁岩，砂岩はジュラ期後期から白亜紀初期を通して孤立した背弧海盆に堆積した。 白亜紀後期までの一時期に，優地向斜の外側に溶岩流や火山砕屑岩が堆積した。 その後西アンデスの大部分の地区は隆起し，陸成堆積物が劣地向斜に交差して堆積し，ペルー やチリの海岸バソリスを構成する大規模花崗岩系深成岩体（プルトン）が優地向斜で生じた。 山稜を形成する火山岩類は中新世後期～鮮新世の安山岩，流紋岩溶岩を主とし，山頂付近には 第四紀のデイサイト類も存在している。 ２）アルチプラーノ アルチプラーノには，原生界ないし古生界を基盤とし，白亜紀～現世の膨大な火山噴出物と陸 成堆積物の累層が広範囲に存在している。 アンデス造山運動が始まり，アルチプラーノを含む大陸縁に沿って造構運動が顕著になった。 陸成堆積作用は，白亜紀後期に始まり新生代，更新世の大半を通じて引き続いた。陸成堆積物 は，白亜紀後期の陸成モラッセ堆積物（赤色層）と，始新世～漸新世の前地盆堆積物（砂岩，砂 - 29 - 10゜S W ESTERN CORDILLERA W ESTERN A LT IPLA NO EASTERN A LT IPLA NO 15゜S EASTERN CORDILLERA INTERA NDEA N ZONE SUBA NDEA N ZONE BENI-CHACO PLA IN 20゜S A MAZONIA N CRATON A 70゜W 65゜W 60゜W 72・ 68・ 64・ 200km V H CI C C 14・