反抗运动movementoppositionisteがみられた-琉球大学.pdfVIP

Title -Telangiectasiaの一例 Author(s)高木, 繁幸; 白浜, 盛久; 岩井, 健次; 比嘉, 秀正 Citation Issue Date1978 URL Rights琉球医学会 264 Ataxia-Telangiectasiaの一例 琉球大学保健学部附属病院脳神経外科 高木　繁幸　白浜　盛久　岩井　健次 琉球大学保健学部附属病院内科 比嘉　秀正 転倒しやすくなった。 6才頃より文字を書いたり, 男IIMjW,声 食事をとる際手がふるえるようになった。同じ頃両 Ataxia-Telangiectasia (以下A-Tと略す)は側眼球結膜の毛細血管拡張に気づいた。これらの症 乳幼児期に発症する進行性小脳性運動失調症,眼球 状はすべて増悪し昭和51年4月5日当科へ入院とな 結膜や皮膚の末梢血管拡張症及び呼吸器などの易感 る。 染性を主症状とする疾患として知られる.歴史的に は1926年チェコスロバキアの神経学者Syllaba　 脈拍98/分整。皮膚に湿疹様皮疹後に出現した点状 Henner Louis-Ba汀によりその臨床像が貴初に記 ないし斑状で淡かっ色の色素沈着を認めた。表在リ 載され,その後Louis-Barrは本症をPhacomato- ンパ節は触知しなかった。結膜に貧血,黄症を認め sisの一型として報告し,さらに1957年Border*ら ないが,眼球結膜に毛細血管拡張を認めた。胸腹部 によりAITと命名された。近年,本症は原発性免には理学的に異常を認めなかった。 疫不全症候群の-型として注目され免疫学的立場か 神経学的所見:意識清明,顔貌は表情に乏しく軽 ら検討された報告は数多い。一方で神経症状に関す 度ながら知能障害(IQ70)を認めた。脳神経には異 る報告も多多あり,病勢の悪化とともに多彩な神経 常を認めなかった。健反射はすべて減弱し病的反射 症状が出現し,悪化の傾向をたどる事が知られてい も認めない。両足をそろえての起立は不可能であり, る。今回,我々は比較的まれな不随意運動である反 両足を開いて起立させると著しい躯幹の動揺が認め 抗運動(Movement Oppositioniste)を伴ったA- られたO　また歩行に際しても動揺があり失調歩行を Tの一例を経験したので報告するo 呈した。言語は不明瞭かつ緩徐であり,運動時振戦 姿勢時振戦,協調運動障害などがみられたが休止時 II　症　　　例 に振戦は認められなかった。指一鼻試験を行うと運 患者:8才,女児。 動時及び指を鼻につける姿勢をとった際(姿勢時) 主訴:歩行障害 左右ともに振戦がみられたが,この検査中に時折, 家族歴:祖父が胃癌で死亡Oその他特記所見なし.急激に預を前屈し,顔面を小刻みに左右へふり,上 既往歴及び現病歴:帝王切開で出生後,首の坐り, 下肢を軽く屈曲させるミオクローヌス様不随意運動 歩行開始などに異常は認めず発育は順調であったが, と指が鼻から急激に離反する反抗運動様不随意運動 春から夏にかけて増悪する湿疹様皮疹を幼児期より とが認められた。 7才頃まで認めている。上気道感染などにかかりや