中国はすでにインフレ時代なのか ―物価上昇が経済成長と人民生活に与え.pdf

中国はすでにインフレ時代なのか ―物価上昇が経済成長と人民生活に与えた影響― 2007年11月1日 今年に入っての物価上昇は中国の経済学者と国民との中でホットな話題になっている。2007 年9月11日に、中国国家統計局が発表した8月のCPI(（Consumer Price Index＝消費物価指数) の伸び率は前年同期比6.5%に達した。これはインフレの警戒ラインとされる3%より、3.5ポイ ントも上回っている。 中国が長期間のデフレ傾向から、インフレ傾向に向かっていることは、中国に関係するす べての日本企業、団体、個人に対し、直接または間接的な影響を与える。 急速な物価上昇に対し、中国人はその利益関係と感覚により、それぞれの意見を発表して いる。 今回のレポートは2007年の物価上昇の原因、現状、及び経済と市場に与えた影響を分析す るものである。 1．物価上昇の進行状況 一般的な見方では、中国は2007年に入ってから、物価上昇の圧力を感じたという。実際、 中国の物価上昇の兆しは2006年8月からすでに見え始めた。 (1)急カーブを示す消費者物価指数 2006 年、中国の食糧生産は大豊作となった。通常、大豊作の年度は食糧価格が下落するが、 8月に入ってからは食糧価格が下落するどころか、徐々に上昇し始めた。11月に入ると、突然、 食糧の価格上昇ペースが加速し、サラダ油、小麦粉の上昇幅は10％以上に達した。この影響を 受け、米、タマゴ、粉ミルクなども一斉に値上がりが加速している。 中国は世界最大の人口を擁することから、食糧生産は国の基礎である。食糧価格が持続的に 上昇した以上、その上に立っている消費財、生産財の価格の上昇も避けられない。2007年に入 ると、本格的な物価上昇が始まった。中国国家統計局が発表した（？）「2006年4月―2007年8 月中国CPI指数」は以下の通りである。 消費者物価指数(CPI) 時間 前年同期比(%) 2007 年08 月 106.5 2007 年07 月 105.6 2007 年06 月 104.4 2007 年05 月 103.4 2007 年04 月 103.0 2007 年03 月 103.3 2007 年02 月 102.7 2007 年1 月 102.2 1 2006年 12月 102.8 2006年 11月 101.9 2006年 10月 101.4 2006年 09月 101.51 2006年 08月 101.32 2006年 07月 101.03 2006年 06月 101.51 2006年 05月 101.38