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これらの企業金融の課題は、企業の成長段階、資金ニーズ等に応じて、また、企業の 期待成長力に応じて異なることから、公開企業・未公開企業毎に、期待成長力に着目し て、以下の４つの区分に分けて課題を分析することが適当と考えられる。 ① 未公開企業 ・期待成長率が小さく資金調達の拡大を求めていない企業群 → 金融機関からの融資によるファイナンスの限界を指摘する意見があるが、 い わゆる貸し渋り問題との関連等において、未公開企業に対する継続的な事業資 金のファイナンスの課題は何か。 ・期待成長率が大きく資金調達需要が強い企業群 → 資本市場からの資金調達、すなわちベンチャーキャピタルや未公開株市場等 へのニーズが高いが、他方、デイスクロージャーの充実、ガバナンスの確保なく しては安定した資金供給体制の確立は困難との認識も強い。単なる資金調達の 「場」の設定にとどまらず、円滑な資金の流れの確保のためには何が必要か。 ② 公開企業 ・成長期の企業群 → 成長性の高い企業の資金調達手段の拡大意欲は高いが、特に資本市場のハ ード・インフラの充実等が求められている。具体的な課題は何か。 ・成熟期の企業群 → いわゆる成熟企業において、経営資源の再配分にあたっての具体的対応、特 にＭ＆ＡやＭＢＯ、ＬＢＯ等の手法の活用が増加しているが、これは資本市場に おける投資価値を特に認識した一部の企業の動きにとどまるのか。我が国企業 が、広範にそうした金融手法を活用し、経営資源の見直し等を推進するための制 度面、環境整備面の課題は何か。 (2) 金融システム改革は、金融機関の融資機能の充実、資本市場の活性化という車の両輪 の更なる進展を通じて、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ、投資家と企業にとって国際競争 力のある使いやすい金融資本市場の実現を目指した。 33 上記の抽出された課題を見ると、２１世紀の我が国経済を支える企業の成長段階等に 応じた円滑なファイナンスシステムの構築とは、経済社会の構造変革の下で、金融シス テム改革の目標をいかに実現していくかという問題と一体の問題であると考えられる。し たがって、本報告書にお