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第九課 データベース データベースの基本概念 個別に作成していたファイルを整理し、一元化することでデータの共用化とプログラムからの独立性を図り、データの質と安全性を向上させようという考えがデータベース(database)の基本概念です。このデータベース技術によって、統合された共有データは、安全に多くのユーザの間で利用されるようになりました。 データモデルdata model データベースで、データ構造やコンピュータ操作をどのようにするか決めたものをデータモデルといいます。データモデルには次の3つがあります。 階層モデル　hierarchical data model ツリー構造とも呼ばれ、1つの上位レベルのレコードに対して、下位レベルのレコードは複数件対応します。しかし、下位レベルに対しては、上位レコードは1つしか対応しません。 ネットワークデータモデル　network　data　model ネットワーク構造によってデータ構造を表現したもので、1つの下位レベルレコードに対しても複数件対応できるといった階層型モデルを改善した方法です。階層モデルとの違いは、1つのレコードに対して上位レコードも下位レコードも複数存在する点です。 関係モデル relational data model 2次元の表構造によってデータ構造を表現したものです、リレーショナルデータモデルとも呼ばれます。表の列を属性(attribute)、行を組(tuple)と呼び、属性と組で構成された表を関係(relation)と定義します。 1つの表の中で各組すべて、その値が異なるものを主キー(primary key)とします。この主キーの値は重複しない、空ではないという実体の完全性を持ちます。通常、通し番号(社員番号とか商品番号など)が主キーに相当します。また、主キーがほかの表の属性として使われているとき、その属性を外部キー(foreign key)といいます。主キーと外部キーは、「表Aに:主キー、表Bに外部キーがある場合、Bの属性欄のデータはAの属性欄の値として必ず存在しなければならない」という参照の完全性が成立します。 使いやすさ、システムの柔軟性、拡張性などの利点から、現在、関係モデルのリレーショナルデータベース(Relational DataBase:RDB)は、パソコンをはじめさまざまなコンピュータ上で広く利用されています。 関係モデルには、次の3つの関係演算があります。 ①射影(projection) :表の中から特定の属性(列)だけを抽出する ②選択(selection) :特定の組(行)だけを抽出する ⑤結合(join) :共通する属性をもとに複数の表を一つにまとめる があります。 関係モデルの射影、選択、結合の関係演算は次のようになります。 射影、選択、結合など表の一部を抽出したり、複数の表に対して検索やテーブルの結合を行った際の結果データが取り込まれる新たな表をビュー表といいます。ビュー表はデータベース自体に格納されているわけではないので、元の表が変更されてもビュー表を作り変えるまでビュー表のデータは変更されません。 データの正規化 データの正規化 データを一元管理し、効率的なデータベースシステムを構築するためには、データの冗長性を削除して、データの一貫性と整合性を図ったデータベースの設計が必要です。これを行うための手法が正規化(normalization)です。データベースでは、データの正規化を行うことで、データの重複をなくし、データの追加、更新、削除が効率的に行えるようになります。 正規化には、第一正規化から第五正規化まであり、数字が大きくなるにしたがって、データの冗長性が低くなっていきます。 第一正規化 非正規形のデータ項目群に繰り返し部分がある場合、別のレコードとして分離させます。また、導出項目がある場合はその項目を排除します。 第二正規化 第一正規化した表から、各組すべてで異なっている項目をキー項目として設定します。なお、キー項目に付随(関数従属)している項目群のことを部分関数従属といいます。ここで、部分関数従属する項目群ごとに表を分離します。 第三正規化 キー項目以外に関数従属している項目群があれば分離します。 ◎正規化の手順 次の正規化されていない(非正規形)発注表を例に正規化を行ってみましょう。 DBMS DBMSとは データベースを定義して、データベースのデータを効率よく運用するとともに、データの保守?管理をするソフトウェアをいいます。ユーザは、DBMSに直接対話することで、データに直接触れることなく、データベースへのデータの受け渡しが可能となりました。DBMSにはデータベースの定義機能、データベースの操作機能、データ