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地球物質科学科概要 いるかを推定する研究も行っています。 　2番目の研究課題として、地球では物質がどの 　地球物質科学科の研究対象は、我々の住んでい ように挙動しているかということがあります。こ る地球や、それを取り巻く惑星であり、さらには れには、鉱物や岩石中に記録されている化学組成 我々の生活と密接にかかわる火山や鉱床、大地を や温度、圧力などの履歴を物理的化学的手法を用 構成する岩石や鉱物です。野外調査ならびにさま いて精密に解読し、地球表面から地球内部で起こ ざまな物理化学的手法を通して、固体地球・惑星 っている諸現象、例えば、大陸の移動、マグマの 内部を構成する固体物質やマグマがどのようにし 発生、火山噴火や熱水活動などを理解し、地球規 てできたかを調べることによって、地球及び地球 模での物質の移動を解明することを行っていま 型惑星の形成と進化の過程を明らかとすることを す。我々人類にとって、非常に重要な鉱物資源 研究の目的としています。 も、有用元素が移動・濃集した重要な地球内部の 　現在、当学科は地球、地球型惑星、衛星を対象 物質移動の現象でもあります。また、室内におい として、さまざまな視点から、さまざまな手法を て、鉱物の成長や溶解現象の実験を行うこともこ 用いて研究に取り組んでいます。私たちの1番の のような物質の挙動を解明する上で、重要な基礎 研究課題は、地球ならびに惑星を構成する物質が 研究です。 どの様なものかを明らかにすることです。地球は 　3番目の研究課題として地球の歴史があげられ さまざまな鉱物ならびにその集合体である岩石か ます。地球は46億年の形成時から、永きにわた ら成り立っています。これら物質を、原子レベル り、絶え間なく変化し、現在に至っています。形 でのミクロな特徴から、マクロなレベルまでさま 成初期の地球は現在の地球とは大きく様相が異な ざまなスケールでの、組織や構造を観察したり、 っていたと考えられています。この初期地球がど 化学分析をしたり、温度や圧力に対する物性の変 のように形成され、地殻やマントル、核といった 化を調べるなど、さまざまな角度から鉱物や岩石 地球の内部構造がどの様につくられてきたか、初 を解析し、地球を構成する物質の物理的化学的特 期の地球の大気は現在とどのような違いがあった 性の理解を深め、さらに、それらの形成過程を解 のか、また、どう変化してきたかという問題は地 明することを目的としています。超高圧超高温発 球科学において最も重要なテーマです。このよう 生装置などを用いて地球深部の状態を作りだし、 な初期地球の状態を実験室で再現したり、さまざ 現在手に取って見ることの出来ない地球内部に存 まな年代の岩石を精密に解析することなどによ 在する鉱物さえ合成し、地球内部にはどの様な鉱 り、地球がたどってきた変遷を解明する研究を行 物が存在するか、地球内部にはどの様なマグマが っています。 存在するか、地球の内部はどの様な構造になって 鉱物学 岩石学 ・固体地球化学 資源 ・環境地球化学 地球物質科学科 地殻化学及び 地球惑星物性学 火山体地質学 比較固体惑星学 火山科学 （東北アジア研究センター） 　地球物質科学科は鉱物学、岩石学・固体地球化学、資源・環境地球化学、 地球惑星物性学、地殻化学及び火山体地質学、比較固体惑星学、および東北 アジア研究センターの火山科学の7つの分野から構成されており、我が国で も有数の大型研究機器を所有し、非常に整った研究環境を持っています。