「電力設備環境影響調査生物学的安全性調査 平成15年度調査報告 書 ....pdf

「電力設備環境影響調査生物学的安全性調査 平成１５年度調査報告書 総合報告書」について 平成１７年３月 原子力安全・保安院 電 力 安 全 課 経済産業省では、近年商用周波数５０～６０Ｈｚの電力設備から生じる電磁界（以 下「商用周波磁界」 という。）による人体への影響に対する懸念が高まっていることを踏まえ、平成９年 度から平成１５年度 にかけて、財団法人電力中央研究所に「電力設備環境影響調査（生物学的安全性調査）」を委託し、 ５０Ｈｚの商用周波磁界が、乳腺腫瘍、皮膚腫瘍及び脳腫瘍の発生又はその増殖に与える影響を明ら かにするための調査を行ってきたところ、本年度、総合報告書がとりまとめられた。（概要については 別添参照。） ＜調査結果＞ 調査の結果、５０Ｈｚ商用周波磁界が、乳腺腫瘍、皮膚腫瘍及び脳腫瘍の発生又はその増殖に影 響を与えることを示す結果は得られず、これらの腫瘍の発生又はその増殖に関し て５０Ｈｚ商用周波 磁界の影響は確認されなかった。 ＜調査の概要＞ 本調査においては、過去の論文等を参考として試験を行うこととし、①まず調査対象として乳腺腫 瘍、皮膚腫瘍及び脳腫瘍を定め、②主にその腫瘍に対する感受性の観点から試験に用いるラット又 はマウスを選定し、③最高35 0μTrms（注）までの３段階又は４段階の磁界強度（対象腫瘍により異 なる）の５０Ｈｚ商用周波磁界を一定期間（約半年間）曝露した後、④病 理学的検査など各種検査及 び分析を行い、５０Ｈｚ商用周波磁界が各腫瘍の発生又はその増殖に与える影響を明らかにするこ ととした。 要） （試験の概 ・試験対象動物 ラット又はマウス ・試験対象群 曝露する磁界強度等により５～６群を設定（対象腫瘍により異なる） ・曝露期間 ２ ５～３０週間（対象腫瘍により異なる） ・検査項目 生存曲線、体重、各器官重量および体重比器官重量、 腫瘍を含む各種病変の肉眼的及び病理組織学的検査（非腫瘍性 、前腫瘍性又は腫 瘍性病変に分類） 等 （注）Ｔ（テスラ）は磁束密度の単位。μ（マイクロ）は、百万分の１を表し、１μＴ＝10ｍＧ（ミリガウス）。ｒｍｓ（root mean square）は実効値を意味 し、磁界の作用を表す一種の平均値。 ＜専門家委員会の設置＞ 本調査を進めるに当たっては、医学・工学の専門家で構成される委員会（「生物学調査委員会」、 別紙参照）により、調査対象の選定及び試験方法等に関し、助言並びにその調査結果に関する評価 が行われた。 ＜今後の予定＞ リンパ腫、骨髄性白血病を対象とし、５０Ｈｚ商用周波磁界がその発生又はその増殖に与える影響 に関する調査を実施し、報告書をとりまとめることとしている。 ○問い合わせ先 原子力安全・保安院電力安全課技術班 池田、桑原 代表 ０３－３５０１－１５１１（内線：４９２１） 財団法人電力中央研究所環境科学研究所生物環境領域 根岸、今井 代表 ０４－７１８２－１１８１ （