黄砂の産業への影響语毕业论文.docxVIP

序　　　　論新聞によると、2007年3月31日北京を黄砂が襲った。その時は中国環境保護局では長城の麓に木を植えるなどの緑化活動が行われていた時である。これは将に大自然が人間に警告のベルを叩いたといえるかもしれない。春になると、自然は活気づき、草花も色鮮やかに緑が美しくなり万物が蘇る。ところが近年来、春になると困った現象に見舞われるようになった。それは黄砂である。そして年々ひどくなってきている。今年は例年よりもっと頻繁に起きて更にひどくなってきた。春は黄砂の多発の季節ともいえる。黄砂が起きたら屋外の洗濯物や車などが汚されて、視界が悪く交通機関などが正常に運行できなくなってしまうほどである。それに雨に混じって降ったら雨水が泥水になり、人々の生産と生活に重大な影響を来たしてくる。ここ数年、被害が急激に拡大している黄砂は中国から周辺の日本、韓国などの国に及んでいる。黄砂の問題は今や国際の環境問題として多くの人たちの関心を引くことになり、特に中国にとっては重大な問題である。こうした現実をみるにつけ、私たちはもっと黄砂に対する意識をもち、この対策に中国人として真剣に取り組む必要があろうと思い、卒論のテーマに取り上げることにした。外国語学部の一学生からみた黄砂問題への関心が多くの人々の意識を喚起できればうれしく思う。本　　　　論1．黄砂とは何か黄砂は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥?半乾燥地域で風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌?鉱物粒子が強風に乗って大気中に浮遊あるいは降下する現象である。風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し黄砂粒子を核とした雲の発生や降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしている。また、海洋へも降下して、海洋表層のプランクトンへのミネラル分の供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられる。黄砂は従来、黄河流域及び砂漠等から風に乗って砂塵が運ばれてくる自然現象であると理解されてきた。しかし近年では、その頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されている。このため、黄砂は単なる季節的な気象現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による環境問題として認識が高まっているとともに、越境する環境問題としても注目が高まりつつある。　1.1　黄砂の発生地帯と原因1.1.1　発生地帯現在世界には砂嵐の多発地区が4つある。中央アジア?北米?アフリカ中部とオーストラリアである。中国には中央アジアの多発地区に含まれている。中国にはタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原の3地区がある。その3地区併せて、日本の面積の5倍程度に当る。タクラマカン砂漠は見渡す限りの砂漠である。ゴビ砂漠は5月ごろから草原になる。ところが過放牧などの原因で草地が減少して、だんだん砂漠化されている。黄土高原は雨がほとんど降らなくて、土壌が非常に細かい粘土なので、植物も生息できず黄砂の源にもなる。1.1.2　原因黄砂現象が起きる原因は大きく分けて2つある。1つは気候の変化、2つ目は人為的影響である。Ⅰ気候の変化近年、春になると黄砂現象がかなり頻繁に起きている。その主な原因は気候の変化である。具体的に見ると原因は次の通りである。①黄砂の多発地区としての中国北部の多くの地域で気温が高くなる傾向がある。内蒙古自治区中部と新疆ウイグル自治区の大部分の地域では1～2度高まる。このため凍った土の融解が早く土壌から水分が一気に蒸発すると見られる。②中国北部の降水量が少ない。このため表土が乾燥し、土壌に含まれる水分が減る。また、春の作付けに備えて畑が耕され（土が飛散しやすくなる）て、しばしば強風に見舞われ、黄砂現象が激しさを増している。③シベリアからの寒気の流れ込みが頻繁で、勢力もかなり強い。また寒気の通り道の多くが砂れきの広がる「ゴビ地帯」である。また、モンゴル付近で発生した低気圧の影響で砂嵐が頻繁する。さらに、中国北部には砂漠が広がっている上、一部では砂漠化が急速に進み、大量の黄砂の「供給源」となっている。④黄砂を起こす元になっている高気圧帯が以前は中国西部のタクラマカン砂漠付近であったが、近年は中国北部のゴビ砂漠に移動してきたため、より韓国と日本に近くなる。それで韓国と日本などの国での黄砂被害が増えてくる。Ⅱ人為的影響近年の黄砂の頻度と被害が甚大化していて、そのため黄砂は単なる自然現象からいろいろな人為的影響による環境問題としての認識が高まっている。人為的影響を具体的に見ると、次の通りである。①森林減少現在、中国の1人当たり森林面積は0.13ヘクタールと