監察医ら見た熱中症の実態.ppt

気温と熱中症患者数 一般的に，最高気温の高い日ほど熱中症患者が発生しやすい。 しかし，同じ気温でも2007年は平年以上に熱中症が多発している。 累積患者数 平年： 6月末頃よりなだらかに患者が発生。 2007年： 7月中までは患者が少なかったが，8月以降激増。 6～7月に充分な暑熱順化が得られないまま8月以降急激に気温が上昇したことが，患者爆発を招いた原因と推測される。 性別?年代?発症場所?活動別患者数?比率（2007年） 男性が女性の2倍多いが，高齢者では性差は小さい。 未成年者ではスポーツ，若年成人では労働?作業，中高年者は自宅での日常生活中の発症が多い。 救急覚知時刻別患者数（2007年） いずれの年代でも，搬送件数は12時前後と15時前後の2峰性。 夜間の搬送例は少ない。 重症度別患者数比率（2007年） 高齢者ほど重症になりやすい。 ただし，発見時すでに死亡していると救急搬送されないので，死者数は過小評価される。 （2）熱中症死者の動向全国 vs 東京都23区 データは，全国は厚生労働省発行『人口動態統計』， 東京都23区は東京都監察医務院検案データベースによる。 経年変化　全国vs東京都23区（1） 夏季の熱中症死者は2007年に激増（全国904人）。 冬季の低体温症死者はほぼ一定で，平年では熱中症死者の2～3倍。 経年変化　全国vs東京都23区（2） 2003年までは，東京都23区の死者は過小評価されている可能性が大。 低体温症死者は，東京都23区でも以前より多い。 性別?年齢階級別死者数東京都23区 2006年以前は比較的若年の死者も多かったが，2007年は大多数が高齢者。 男性は50歳代，女性は80歳代にピークがある。 発症場所別死者割合東京都23区 住居での発症が最も多く，特に2007年はほぼ全例。 路上，公園など屋外発症の浮浪者も相当数存在する。 発症時活動別死者割合東京都23区 「不詳」を除くと日常生活中が最も多い。 労働中，余暇?スポーツ中は少ない。 まとめ 遅い梅雨明け後の記録的な猛暑により，2007年は熱中症患者?死者が激増した。 救急搬送例と比較すると，死亡例は圧倒的に高齢者に偏っており，住居での日常生活中の発症が多い。また，夜間の発症?死亡もまれでない。 東京都23区の死者数は2003年以前は非常に少なく，病死と診断されていた可能性が高い。 Ⅳ　症例提示 （監察医務院検案?解剖例） 労作性熱中症の代表的症例 月 年齢 性 健康 状態 作業 内容 作業 開始 発症 症状?経過 8月上旬 20代 男 高度の 肥満 ビル解体工事 10:00 14:00 ふらつき，嘔吐，意識喪失 7月下旬 30代 男 精神 疾患 (加療中) ビル工事現場外壁ネット張り 7:30 16:00 気分不快，足場に降りた直後に意識喪失，痙攣 7月上旬 40代 男 糖尿病(未加療) 駐車場舗装工事 8:00 15:30 気分不快，帰寮中に意識混濁 症例数は少ない。 若年者が主体だが，死亡例では何らかの基礎疾患があることが多い。 自宅発症の中年症例 50歳代女性。息子と同居。 精神疾患あり，夫と離婚後自室に引き籠り状態。 数日前から体調不良（夏バテ？）。 8月上旬某日午後7時頃，息子が仕事から帰宅すると，冷房?扇風機のない閉め切った室内でぐったりしており，救急要請したが既に死亡。 検視時，直腸温40℃。 解剖で横紋筋融解および腎尿細管のミオグロビン円柱（→後述）を確認。 横紋筋融解 骨格筋（横紋筋）の細胞が融解?壊死することにより、細胞内の成分（ミオグロビンなど）が血中に流出する病態。 原因 　①筋挫滅を伴う外傷（クラッシュ症候群） 　②医薬品の副作用： 高脂血症治療薬，　　　ニューキノロン系抗菌薬など 　③高体温を呈する疾患： 熱中症，悪性症　　候群，感染症，覚醒剤中毒など 皮質 髄質 ミオグロビン円柱 熱中症例の腎臓 顕微鏡像 正常な大腰筋 熱中症例の大腰筋 ←熱中症による横紋筋融解。ミオグロビンの逸脱により脱色を呈する。 → 　　ミオグロビンは血流に乗り，腎尿細管を閉塞?傷害して急性腎不全を起こし，死因となる。 自宅発症の高齢者症例（1） 80歳代女性。夫と死別し独居。大病なし。 8月中旬某日に娘と会った際，やや夏バテ気味であったが重症にはみえず。 翌日午後9時頃に次女が訪問したが応答なく，屋内に入ると寝室のベッド上でうちわを片手に握ったまま死亡発見。 窓は閉め切り，エアコンは故障しており，窓を全開した状態で室温37℃（！）。 死亡推定時刻は当日午前2時頃。 上个世纪末,本世纪初，1996年,清华学界对中医气本质，经络实质，阴阳，五行，藏象，中医哲学观等都有了新的全面整体创造性的认识和解说。如，邓宇等发现的