開竅薬分析.ppt

第二十三章開竅薬 * * 【定義】 辛香走竄の性を持ち、開竅醒神を主な効能とする薬物を開竅薬という。 【効能】 醒脳開竅。同時に通関、通経、活絡、止痛などの作用も持つ。現代研究により、この種の薬物が中枢神経系統を興奮させる作用を持つことが表明された。 【適応症】 主に閉証に使用される。熱陥心包あるいは痰濁阻蔽による神昏譫語、および驚癇や中風などの疾患で見られる突然の昏厥を包括する。 近年では開竅薬を主とし、温中止痛薬や行気活血薬を配合して組成された芳香温通剤が冠性心疾患や狭心症の治療に使用され、好成績をあげている。 【使用注意】 1.開竅薬は閉証による昏迷のみに適用し、脱証には使 　用しない。閉証には熱閉と寒閉の違いがあるため、慎 　重に薬を選択して使用しなければならない。 2.開竅薬は救急?治標の薬物であり、一時的な使用に 　のみ適している。元気の消耗を防ぐため、長期間服用 　しないほうがよい。 3.開竅薬の性質は辛香を主としていて揮発し易いため、 　内服する場合は丸剤や散剤に配合することが多く、煎 　剤に配合する事は少ない。 1、麝香　じゃこう　Musk 【性味】辛、温。 【帰経】心、脾。 【効能】 1.開竅醒神。 2.活血散結。 3.止痛。 4.子宮興奮、分娩誘発。 5.中枢神経興奮。 6.冠状動脈血流量増加、血圧上昇、呼吸数増加。 7.抗腫瘍。 【応用】 1.神昏閉証：温熱病の熱入心包、癲癇、中暑、および 　小児の急驚風。 2.中風昏迷：突然の昏倒、人事不省、喉中痰鳴で痰熱 　蒙蔽心竅に属する者。 3.打撲外傷による疼痛（内服または外用）。 4.咽喉腫痛、癰疽腫毒、痰核流注、および乳癌（内服 　または外用）。 5.血瘀閉経、癥瘕、胎盤残留または稽留流産。 6.冠性心疾患、狭心症。 7.風湿痹痛。 8.小児麻痺後遺症。 9.肝臓癌、食道癌、胃癌、結腸癌、膀胱癌など。 【用量】 0.06～0.1g。丸剤や散剤に配合するだけで、煎剤には配合しない。 【禁忌】 妊婦には禁忌である。また血圧上昇傾向のある者には慎重に使用する。 【配伍】 1.肉桂を加える：胎児の死亡、胎盤残留、あるいは寒凝 　血滞による難産。 2.牛黄を加える：熱病による神昏譫語、抽搐。 3.血竭を加える：打撲外傷による疼痛。 4.蟾酥を加える：癰疽瘡瘍。 5.白附子?胆南星を加える：中風昏迷。 6.木香?桃仁を加える：冠性心疾患、狭心症。 7.三棱?莪朮を加える：腫瘍、閉経、月経痛で血瘀に 　属している者。 8.牛黄?珍珠を加える：咽喉腫痛。 【処方】 1.至宝丹。 2.七厘散。 3.醒消丸。 4.安宮牛黄丸。 5.蘇合香丸。 6.通竅活血湯。 7.堕胎丸。 【説明】 麝香は気味芳香でよく走竄し、諸竅の不利を通じ、経絡の壅遏を開くことができる。昏迷不省を治療する良薬であり、安宮牛黄丸、至宝丹、蘇合香丸など醒脳の効能を持つ非常に多くの中成薬のすべてに本品が使用されており、李時珍は「諸々の風の病、諸々の気の病、諸々の血の病、諸々の痛み、驚癇癥瘕などの諸疾患で経絡が壅閉し、孔竅が不利になっている場合、麝香で引導をはからないでどうして経絡を開いたり、孔竅を通じたりすることができようか？」と述べている。 現代研究により、本品が中枢神経興奮作用を持つことが表明されているため、救急薬品として各種昏迷の治療に使用することができる。また麝香は活血消腫止痛の効能も持ち、各種の対応処方中に麝香を少量加味すると治療効果を高めることができ、広い範囲の癰疽腫毒や打撲外傷の治療では、内服外用を問わず効果があるため、麝香は中医骨傷科の要薬と言える。 麝香と牛黄はどちらも開竅醒神の効能を持ち、熱病神昏や中風痰迷などを治療することができる。ただし麝香は開竅に重点を置いており、閉証には寒熱を問わず全てに使用することができる。牛黄の作用は清心豁痰定驚に偏しており、熱盛痰壅による昏迷および驚狂癲癇の者にのみ適用される。 顆粒状で高品質な麝香を習慣的に当門子と呼び、麝香の中でも粉状の物を元寸香と通称し、寸香と略称する。 2、冰片　ひょうへん　Borneol 【性味】辛、苦、微寒。 【帰経】心、脾、肺。 【効能】 1.開竅醒神。 2.清熱止痛。 3.抑菌。 4.分娩誘発。 【応用】 1.神昏閉証：湿熱病の熱入心包、中暑、小児の急驚風、 　痰熱内閉による中風および癲癇。 2.瘡瘍腫毒：腫痛か糜爛かを問わず、すべてに使用で 　きる（外用することが多い）。 3.喉痹、咽喉腫痛、口腔潰瘍、歯肉の腫痛。 4.目赤腫痛、睛生雲翳（点