看护病理学讲义ノート15血液.DOC

PAGE \* MERGEFORMAT 2 看護病理学講義ノート１４　　血液病学 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小林正伸 I血液学 はじめにー血液で学ぶことー 造血組織 貧血 血液の悪性疾患 血液疾患 はじめにー血液で学ぶことー 血液とは何か？ 　　血液は何をしているのか？ 血液は流動性の組織で、全身をくまなく回っている。 血液は、細胞成分である血球と、液体成分である血漿から構成されている。 血漿は容量にして血液の約55％を占める。血球は血液の容量の約45％を占める。 採血後、遠心機で1500回転（／秒）させると、上記の図のように赤い層と黄色い層に分離される。上の黄色い層が、血漿成分であり、赤い層が赤血球成分である。その間に白い層が薄く認められるが、この層が白血球や血小板の集団である。 血液 細胞成分 赤血球 赤血球とは赤い血球である。 なぜ血液は赤い？ 赤血球の役割は何か？ 白血球 白血球とは白い血球のことか？ 白血球の分類 　顆粒球とリンパ球に大きく2つに分けられる。 好中球は何をしているのか？ 好中球とは何か？ 好中球は、異物特に細菌などの病原体を処理することによって、生体を防御する第１線の役割をはたしている。 血小板 血小板とは何か？ 血液中にある円板状の小さな細胞のことをいう。正常では血液中に１?lあたり15－40万個存在する。（赤血球の1/10から1/20） 血が止まるってどういうこと？ 出血とは血管が破れて血液が外に流れ出ることです。このような小さな血管からの出血は絆創膏でも貼っておけば自然に止まります。 １次止血　血小板による止血 ２次止血　凝固因子による止血 傷ついた体が治る過程では、血液が固まった赤黒いものをみる。これが形成される過程を凝固と呼ぶ。 凝固とは？ 血管内皮細胞が傷ついたり（内因性凝固）、血管が切れるような外傷がおこる（外因性凝固）と、下の図にあるように様々の凝固因子が活性化してフィブリノーゲンを不溶性のフィブリンに変換して血液を固めさせる。　 通常血管内で血液が固まることはない。血管に傷がついた時だけ固まるような仕組みが用意されている。 造血器系 造血幹細胞（スライド） 造血幹細胞（hematopoietic stem cell - HSC）とは全ての血球系細胞に分化可能な幹細胞である。ヒト成体では主に骨髄に存在し、白血球（好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球）、赤血球、血小板を生み出す。 幹細胞の定義として、一個の細胞が分裂の結果2種類以上の細胞系統に分化 (differentiation) 可能であると同時に幹細胞自体にも分裂可能であり（self renewal: 自己複製）結果として幹細胞が絶える事なく生体内の状況に応じて分化、自己複製を調整し必要な細胞（毎日1012個の血球）を供給している事になる。 幹細胞の意義については用語の解説を参照。 １．貧血の定義 貧血とは末梢血中のヘモグロビン濃度が減少した状態を指す。 赤血球の最も重要な働きは酸素を運搬することであることは、第1回目に話しました。酸素を運ぶのはヘモグロビンです。したがって貧血の指標としては、ヘモグロビンの量が指標となっています。 なお、国試的には貧血＝ヘモグロビン濃度低下＝赤血球数低下と考えてOKです。 なぜ貧血は起こるのか？ 赤血球の産生と破壊のバランスは、正常状態では同じである。産生が低下しても破壊が亢進しても、バランスは崩れてしまい、貧血となる。 ２．貧血の症状 貧血ではどのような症状が認められるでしょうか？（考えてみてください） ３．貧血の検査所見 　　赤血球数の低下 　　ヘモグロビン値の低下 この２つは必ず認められる。 ４．貧血の分類 貧血の分類（どんな貧血があるのか？） 　１）頻度の高い貧血 　　①鉄欠乏性貧血、②慢性の病気に続発する、貧血③妊娠による貧血 　　２）頻度の低い貧血 　　①再生不良性貧血、②溶血性貧血、③悪性貧血、④VitB12や葉酸欠乏による貧血、⑤骨髄異形成症候群 　 鉄欠乏性貧血 １）原因と機序 摂取,吸収不足：不健全な食事と胃疾患が主。後者では特に無酸症例や胃切除例で、これらでは食品中の鉄が還元されず,たとえ食品中に鉄が充分あったとしても吸収不足を来たす。 鉄喪失の亢進：主に消化管疾患であるが、女性では生殖器からの喪失も無視出来ない。激しい運動をするスポーツマンは汗と尿に鉄喪失が多く,時に鉄欠乏性貧血の遠因となる。 鉄の体内需要の亢進：主に急速な成長、妊娠、極めて稀に臓器への鉄沈着。特に妊娠では約1000mgの鉄が余分に必要となり,かつ出産時にも失血を伴うので意義は大きい。 どうして鉄が不足するのか？普通は体の中にどのくらい