农业统计学2011.PDF

農業統計学 2011 Biostatistics2011 小林　克己　著 静岡県立農林大学校非常勤講師（畜産学概論） 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 (NITE) 静岡県立農林大学校研究部 pg. i pg. ii はじめに 本書は，統計解析を初めて志す農学徒に対して統計記号や英語を避け公式を和文で 説明し，実際の数値，調査報告書からのデータまたは実践に近い一部仮想データを使 用し，容易に解説したつもりです．各分布表（棄却限界値）は，必要な部分のみ計算 例の付近に表示しました．詳細の棄却限界値は，巻末に付表として掲載しました．加 えて，滅多に見られない棄却限界値（表）も同様に巻末に掲載しました． 計算値は，ほとんど電卓による手計算のためコンピュータ処理の値と若干異なる場 合があります．コンピュータソフトは，Excel 2008 および SAS 社の JMP (Version 5) を使 用しました． 掲載した数値および例題は，植物，ヒトを含めた動物および農業に関連したデータ を用いました． 手計算とPC の併用目的のひとつは，手計算の信頼性の確保です．解析法および例題 の中には，皆様の分野の解析とは無関係と思われる項目を記載しておりますが，将来 の布石と思いとりあげました．きっと皆様方の調査・研究論文の考察に反映できるこ とを確信しています． 著者は，数学者ではなく実験動物および公衆衛生から得られたデータと長年接して きたことから，生物学的有意差と統計学的有意差がなるべく一致する手法に関心を持 っておりました．本書は，統計学者から見ると一部に問題があると思われますが，統 計を志す者への動機付けが目的であることからお許し願います． 各章の末に引用文献を掲載しました．ぜひ孫引きしてください． 私は，本書によって読者が統計に興味を持ってもらえれば望外の喜びであります． 2011 7 31 年 月 日 小林克己 pg. iii 目　　次 1 第 章 基礎数値の算出 　統計解析を実施するためにはいくつかの基礎数値を算出する必要がある．これらの数値の算出法 および用語なども併せて説明する． 1. 標 本 数 1 2. 平 均 値 1 3. 中 央 値 1 4. 3 M, (mean) (median) (mode) 1 つの 代表値，平均値 ･中央値 ・最頻値 5. 偏差平方和 2 6. 分　　散 2 7. 標準偏差 3 8. 標準誤差