密封装置-J-Stage.PDFVIP

338 密封装 置(5)…(1) 講〔座 〕 密封装置(5) (メ カ ニ カ ル シ ー ル) 石 渡 秀 男* 河 原 由 夫* 表9 使用条件の範囲 1. メ カ ニ カル シ ール の 種 類 と用途 メカニカル シールの大部分 は接触式密封装置の一 種 で(非接触式 の もの もあるが後 に触れ る),その用 い られ る条件範 囲は,オ イル シール に比べてはるか に広い。一般 に用い られてい るメカニカル シールの 使用条件 の範 囲を表9に 示す が,最近 は回転数50000 rpm,周速150m/s,圧力300kg/cm2,耐熱温度400℃ と言 った厳 しい要求 にも耐 え られ るものが作 られて い る。 国内的 にも国際的に もその分類体系や種類,形 式 等 が統一 されていない。 しか し,そ の拠点 とな るべ き基本 的,共 通的事項 はメカニカル シールの通則 と して,JISB-2405に定 め られてい る。 メカニカル シール は図48に示す よ うに軸 に垂直な 2つ の平面(従動 リングとシー トリング)間の接触圧 力 に よって密封 を行 な うシール であって,接 触圧力 を主 としてばね作用 で与 える構造 を持つ シールユニ ッ トである。軸 あるいはケー シングを伝 わっての漏 れ は軸パ ッキン(OリングやVパ ッキン)や緩衝 リン グで防止 され る。 メカニカル シールの構造お よび作 図48 メカニカルシールの構造例 用 に よる名称 をJISから以下に引用す る。 (1)アンバ ランス:図49(a)に示す よ うにBの 面積 に有利)。 がCの 面積 よ り大 きい構造 の もの。バ ランス: (4)背端面高圧:背 端面が高圧側流体 に接触す る 図49(b)に示す よ うに,Bの 面積 がCの 面積 に等 もの。背端面低圧:背 端面が低圧側流体 に接触 しいか または小 さい構造 の もの。 ここで,Bは す るもの。 従動 リングに対 して軸方 向の移動力 として働 く (5)内側 ばね:従 動 リングの密接 に役立 たせ るば 高圧側流体 の圧力 を受 ける軸方 向の投影面積。 ねが,高 圧側流体 に接触す るもの。外側 ばね: Cは密封端面の軸方 向の投影 面積。 従動 リングの密接 に役立 たせ るばねが,高 圧側 (2)回転:従 動 リングが回転す るもの。静止:従 流体 に接触 しない もの。 動 リングが回転 しない もの。 高圧流体 を密封す る とき,し ゅ う動面圧 の過度 の (3)内向 き流れ:密 封端面の外周 かち内周方 向へ 上昇 を防 ぐためにバ ランス形 を用い るのであるが, 向って漏れ ようとす る流体 を密封す るもの(し この 目安 としては,一 応,5kg/cm2以上 とされてい ゆ う動部発生熱 の放熱 に有利)。 外向 き流れ: る。面積Bと 面積Cの 比 をバ ランス比 として定義づ 密封端面の内周 か ら外周方 向へ 向って漏れ よ う けてい る。通常用い られてい るメカニカル シールの とす る流体 を密封す るもの(腐 食性流体 の密封 代表形状 を日本機械学会の機械 図集 か ら参考 のため * 日本 オ イル シー ル