异物混入防止対策讲座.DOC

異物混入防止対策講座（３） 異物としての虫（２） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　環境生物コンサルティング?ラボ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　技術士　平尾素一 ５　ル－ト５（飛来侵入する虫） 建物に飛来、接近した虫は、一部がドアや開口部、隙間から侵入します。建物内で捕まる虫の大部分はこのル－ト５の虫です。夜間、光を求めてくるものと、昼間においに引き寄せられてくるものがいますが、圧倒的に多いのは前者です。主なものを表３に示しました。 飛来侵入する虫の発生源は、『緑地』と『水域』 です。雑草地、工場緑地、水田、畑、森林、　　　　　表３　飛来侵入する虫と誘引源 誘引源 節足動物 匂いに誘引 食品?溶剤?????類など ?????????????????????????????????????????????類??????類???????類??????類????????類 灯火に誘引 ?????類????類??????????????類????類???????類??????類?????類??????類??????類???????類???類の有翅類???????????????????類???????類??????類??????類?????類 その他 ??????類????????????類、??????類???????類 河川、池、排水路などから発生します。これ これら発生源をなくしたり、薬剤を処理すること は実際上不可能です。対策としては建物の遮断性　を上げることが第一となります。そのためには、 　　①虫が近づかないようにする－接近抑制 ②近づいても入れない――――侵入防止 ③入ったら早く殺す―――――早期駆除 ことです。 建物への接近抑制 　虫の反応性の低い光源を使うことにより建物に接近する走光性昆虫を極力抑えることは可能です。照明管理といわれる方法です。そのためには 誘引性の低い黄色系照明を、外周、出入り口に使用する。 できるだけ照明を少なくする 内部から出る光を遮断し、外から見えないようにする などの方法があります。 2) 侵入防止 　虫の侵入数は建物の立地条件，開口度合い、構造、人の出入り、などによって左右されます。侵入口としては、出入り口、ドア周り、シャッタ－，鉄扉周り、非常口周り、ドアのガラリ、窓サッシの隙間、窓枠と壁、開けた窓やドア、停止時の換気扇、壁の下を走る排水溝、配管パイプと壁、壁と天井の接合部、外装の隙間、ル－フファン，排気口，などがあげられます。見たところ隙間はないようでも、1-2mmの隙間があると侵入します。 最も侵入の多いのは、人、資材?製品の出入り口です。最も手軽な方法は出入り口を限定することです。使用頻度の少ないところは非常口とすることです。当然開閉は少なくなり、虫の侵入は減少します。人が頻繁に出入りするところでは前室か二重ドアを設けます。 緑地に接したドアではいかに如何に隙間がなくても、ドア1枚で侵入を防ぐことは困難です。一般に3回ドアを通過すると、虫の侵入は極端に減少します。資材、製品の搬入口には自動ドア、高速シャッタ-の設置がよいでしよう。倉庫から製造場につながるドアには特に対策が必要です。 3)侵入虫の早期駆除 　上記の2つの対策が完全であれば、理論上侵入はなくなりこの駆除は不要になるはずですが、実際にはいくらかの侵入はあります。1)2)が不完全なままで、とりあえず3)から強化したいというケ－スもあります。建物内に侵入した虫は、包装工程，充填工程では製品への混入の可能性が大です。できるだけ早く除去する必要があります。その方法にはライト?トラップを使う物理的な手段と、殺虫剤を使う化学的な手段があります。 (物理的手段) ライト?トラップが一般に使用されています。電撃式と粘着捕獲式がありますがその誘引光源はほぼ同じです。最近は捕獲した虫を飛び散らさないという観点から粘着式が多くなりました。ライトト?ラツプは、取り付け方を誤ると逆に外部から招き入れることにもなりかねません。取り付けに際し、以下のことにご留意ください。 ドアの上の壁に取り付ける。入口に並行には取り付けない。 外から見えないところに取り付ける 入り口で捕獲し、廊下で捕獲し、生産域に入れないような取り付け方、デフェンスラインを形成するような取り付け方が望ましい。 生産ライン、コンベアの上には取り付けない。特に電撃式は4-5mはなすこと。 隙間の多いドア、窓の内側には取り付けない。逆に虫を誘引し、侵入を許すことになる。 屋外用を取り付けるときは入り口から15m以上はなすこと。 誘虫ランプは６ケ月-1年ごとに取り替えること。 殺虫器の虫は貴重な情報源。種類，匹数、を定期的にチェックすることにより、