平成30年度研究开発実施报告书（要约）-文部科学省.PDF

４０ 福岡教育大学附属福岡小学校 27～30 平成 ３０年度研究開発実施報告書 （要約） １ 研究開発課題 未来社会を創造する主体に必要 となる資質 ・能力を育成するため，人格形成 と能力育成の調和を重視 し た教育活動を中核に据えた場合の新たな領域等の枠組みを構築する研究開発 ２ 研究の概要 本研究で目指す，未来社会を創造する主体 とは，自分の学びを見つめた り，仲間や多様な他者 と共に力 を合わせたり，自らの意志で社会を切 り拓き，新たな価値を創 り出そ うとする子供のことである。この未 来社会を創造する主体は， 「向上性」 「協働性」 「創造性」の ３つの資質 ・能力をもっている。このよう な資質 ・能力を育てるためには，教科等の内容に依存 した知識重視 （Knowledge base）から，真のコンピ テンシーベースを目指す子供の文脈に沿った学習が行える人間重視 （Human base）が必要である。ここで 言 う子供の文脈を重視するとは，子供たちの学ぶ欲求の中に，現代的課題に象徴 される 「社会の文脈」と 学問体系から来る 「学問の文脈」を含み混んだ，子供の学びの欲求を原動力 とする 「子供の文脈」を中心 に位置付けていくことである。そこで求められる教育課程は，子供の文脈を重視 した 「にんげん」 「くら し」 「ことば」 「す うがく」 「かがく」 「げいじゅつ」 「けんこう」の ７領域 と個に合わせて主体的に内 容の習得を目指す 「たんれん」，個性を伸ばす 「チャレンジ」を位置付けることであると考えている。 具体的には次の ３つの教育課程の編成原理から考えていく。 ① 子供の文脈を重視 した内容の精選 ② 子供自らによる学びの選択 ③ 子供の自己内省と省察の重視 この原理の中で，子供主体の質の高い学びを展開していくのが探求の学びである。具体的には， 要素 (1) 真正の課題 要素 (2)テーマ学習と トピック学習 要素 (3)学習のための評価 このようにして，今後の教育課程の在 り方に関する検討に取 り組み，本校 としての提言をおこな う。 ３ 研究開発の目的と仮説 （１）研究の目的 内閣府で示 された 「Society5.0」においては，人間がこれからの世の中を生き抜いていくために， 「社会の変革 （イノベーション）を通 じ，これまでの閉塞感を打破 し，希望の持てる社会，世代を超 えて互いに尊重 し合える社会，一人一人が快適で活躍できる社会」を目指 している。このような要請 に向けて，平成30年 ６月に第 ３期教育振興基本計画が策定され，2030年以降の社会を展望 した教育政 策の重点を次のように示 している。 「超スマー ト社会 （Society5.0）の実現に向けた 『人生100年時 代』を豊かに生きていく， 『人づくり革命』 『生産性革命』の実現 とともに，教育を通 じて生涯に わたる一人一人の可能性 とチャンスを最大化する。」このような変化の激 しい時代においては，こ れまで以上に子供たち一人一人の資質 ・能力を十分に発揮 させ，子供が主体 となる質の高いの学びを 大切にした新たな教育課程の創造が必要 とされると考えている。 本研究の目的は，未来社会を創造する主体に必要な 「自分の学び方や在 り方を深 く内省 し，自分の よさや課題 も肯定的に受けとめ，これからの志を明らかにしていく向上性」 「仲間や他者の考えに耳 を傾け，自分 と同じように尊重 し，それ らの人々とともに人や社会，自然のために力を合わせる協働 性」 「自ら課題を設定し，調査 ・追究する過程で自分の獲得 した知をつないだり組合わせたりしなが ら概念を発展させ，新たな知を創造する創造性」とい う３つの資質 ・能力を育成する子供の文脈を重 視 した教育課程における，探求の学びを究明することである。 （２）研究仮説 次の２つから子供の文脈を重視 した ７つの領域の中での探求の学びの究明を行えば，未来社会を創造す る主体 としての資質 ・能力を育成することができるであろう。 ◇ 子供の文脈を重視 した７つの領域の教育課程の編成原理 原理 １ 子供の文脈を重視 した内容の精選 子供の文脈を重視 していく上で，社会の文脈 と学問の文脈を取