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次世代自動車戦略２０１０ 次世代自動車戦略研究会 2010/04/12 目次 第１章 自動車関連産業を巡る外部環境 2 第２章 戦略策定にあたっての基本的考え方 4 第３章 全体戦略 7 【補足】「先進環境対応車」普及の考え方 15 【補足】商用車（中・重量車）について 17 第４章 電池戦略 19 第５章 資源戦略 23 第６章 インフラ整備戦略 25 第７章 システム戦略 29 【補足】車のバリューチェーンの課題と方向性 32 第８章 国際標準化戦略 33 次世代自動車戦略研究会検討体制 36 次世代自動車戦略研究会検討経緯 37 次世代自動車戦略研究会委員名簿 39 1 第１章 自動車関連産業を巡る外部環境 (1)世界自動車市場の動向 リーマンショックを契機とする金融危機と世界同時不況は、世界の自動車関連産業の競争 環境を一変させた。日米欧の先進国の新車販売台数は、急激に落ち込み、スクラップインセ ンティブなど、その後の各国の需要刺激策により底打ちの気配は見せつつあるものの、長期 的にはその世界的シェアは縮小しつつある。一方で、新興国では、先進国と同様、一時的な 落ち込みは見せたが、すぐにピーク需要を更新するなど、その市場拡大はとどまる気配がな い。 自動車メーカーの動きに目を転じれば、90 年代後半には「400 万台クラブ」という名が示 す通り、欧米自動車メーカー主導による単純な規模の拡大を目指した合従連衡が繰り広げら れると同時に、特に米国の自動車メーカーはサービス業、なかんずく販売金融に収益を依存 するようになった。しかしながら、規模の拡大を目的とした合併戦略は当初期待された効果 を上げることはできず、その後暗礁に乗り上げ、金融収益に依存するビジネスモデルは、リ ーマンショックによる金融危機の直接の打撃を被る原因となった。こうして、かつて世界の 自動車産業の覇者であったビッグ3 のうち、GM とクライスラーはついに経営破綻に追い込 まれた。 こうした状況変化は、自動車関連産業にとって新たな競争時代の幕開けをもたらした感が 強い。世界の自動車市場の構造変革に伴う各自動車メーカーの新たな世界市場戦略と、以下 に述べるエネルギー制約・環境問題の高まりに応え得る環境技術の獲得に向けた動きとが相 俟って、自動車メーカーに加え、部品・部材産業まで含めた新たな合従連衡が繰り広げられ つつある。また、米国政府のGM 救済劇や、総額24 億ドルにも上るグリーンニューディール 政策に見られるとおり、各国では、需要創造、雇用確保、新たな技術創造を目指して、官民 一体となった取組を強化している。さらに、政府の強力な後押しと先進国・メーカーからの 技術・人材の流出を活用した大量生産に力点を置くビジネスモデルを有する韓国自動車メー カーや、電気自動車といった新たな技術の出現を契機とした新興メーカーなどが急激にその 存在感を増している。 特に、近年の世界全体の人的交流の活性化と、高度なＩＴ技術の普及などの下では、新興 国の技術レベル、工業水準が上がるにつれて、技術のキャッチアップ、生産拡大と低コスト 化のスピードアップは著しいものがあり、先進技術の優位性を保ち、対外競争力を維持する ことは極めて困難になっている。我が国の自動車関連産業の特性とも言える先進的な技術開 発の成果を今後も十分国内で享受するためには、このような外部環境変化を十分意識してお く必要がある。 (2)エネルギー制約の高まり 原油価格はニューヨーク商品取引所（NYMEX）での原油先物価格（WTI 原油価格）で2008 年7 月に 147.27 米ドル／バレルの史上最高値を記録した。その後は調整局面が続いた後、 同年9 月の金融危機を契機に12 月下旬には、30 ドル台前半まで急落したが、再び上昇に転 2 じ、最近では70