Briefing on Thailand QA in HE(2019) - 独立行政法人 大学 ....pdfVIP

BRIEFINGONTHAILAND:本資料は、タイ全国教育水

準・質評価局（ONESQA）

QualityAssuranceinHigherEducation及び高等教育局(OHEC)の

ブリーフィング資料：タイ高等教育の質保証協力を得つつ、最近のデータ

や動向をふまえ、機構の評価

事業部国際課が作成したも

Ⅰ．高等教育制度の概観のです

タイの高等教育の歴史は19世紀後半から始まった。1868年に即位したチュラロンコン王（ラーマ5世）は、国の近

代化を見据え教育改革を行い、1917年には初めての複合大学であるチュラロンコン大学が誕生した。このことを皮切り

に、1950年代までにタマサート大学やカサセート大学などが設立されたが、これらは公務員を養成することを目的として

おり一部のエリートのみが進学していた。しかし1970年代に入り、無試験かつ安価で入学することのできるオープン大学

が設立されたことを契機に高等教育への進学者数が急増し、タイの高等教育はマス化を迎えた。

1990年代には公立大学の法人化の動きが展開された。従前の公立大学には、政府の官僚システムによって大学の

自治や柔軟性が妨げられていた側面があった。これを解消し、学術面の進展や国家の発展を促進するため、大学の法

人化が導入され、「自治大学」（AutonomousUniversity）が誕生した。自治大学は、政府から包括的な交付金

を受けつつ、人事、財務、教務に至るすべての大学行政を自治大学自身で管理することとなっている。

その後1997年の経済危機が契機となり、国の再興、安定化、国際競争力の向上にむけた教育改革が喫緊の課

題となった。その結果、1999年に教育の基本内容を示した「1999年国家教育法」(The1999National

EducationAct)が成立し、それ以降、中央省庁の再編、学習者中心の教育システム改革等を通じた高等教育改

革が急速に行われるようになった。

（1）高等教育所管官庁

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教育省(MinistryofEducation)の高等教育局(TheOfficeoftheHigherEducationCommission:OHEC)

が高等教育の所管官庁として、政策・開発計画の策定、高等教育機関の設置、高等教育の評価・監督システムの設

置・実施等に当たる（国家教育法（以下「法」と言う。）第34条。）。なお、教育省は2002年の中央省庁再編によ

り、教育政策に関する基本的事項を調査・審議する首相府の国家教育委員会、初等中等教育機関等を所管する

教育省、高等教育機関を所管する大学庁の3省庁の統合により発足した。しかし2014年の軍事政権発足後の教

育改革において、高等教育局を教育省から独立させることの検討が始まった。

2018年10月には、高等教育局と科学技術省（MinistryofScienceandTechnology）を統合し、研究・

高等教育省（MinistryforResearchandHigherEducation）として設立することが内閣で承認された。

（2）タイの教育制度と教育課程

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