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夏目漱石

今日夏目漱石の生涯を辿りながら日本の近代化の意味と日本人の心のあり方を考えます。おおタンだバックではゆりい川口が落語家の際融点円上さんとともに神社やお寺の境内に建ているさまざまな（成对神社等前，石/木雕狮子狗像）の魅力を紹介します。

ピーター?バラカン「こんにちは、ピーター?バラカンです。」

光岡ディオン「光岡ディオンです。」

ピーター?バラカン「WeekendJapanologyへようこそ。」

光岡ディオン「この番組はNHKワールドテレビとラジオ日本で送りしています。」

光岡ディオン「今日のテーマは夏目漱石です。」

ピーター?バラカン「漱石はおそらく日本でもっとも有名な近代文学の作家でしょう。名前だけではなく、顔もよく知られています。肖像画が1984年から20年間千円札に使われたためです。今日のゲストは大学教授で英文学がご専門のさんです。ようこそお越しくださいました。」

小林章夫さん「よろしくお願いします。」

ピーター?バラカン「漱石自身英文学者でしたね。」

小林章夫さん「ええ、そうです。」

ピーター?バラカン「小林さんはいつから漱石の研究を」

小林章夫さん「私が大学生の時に18世紀のイギリスの小説について論じた漱石の本を読んだのですが、それがとてもおもしろかったのです。私の専門も18世紀の英文学の研究ですが、その本に影響されて私はこの道を選びました。ですから、漱石は私にとって特別な存在なんです。」

光岡ディオン「一般の日本人にとって漱石とはどのような存在なんでしょうか。」

小林章夫さん「そうですね。多くの日本人が漱石の小説をひとつか二つは読んでいると思います。これほど多くの人にその作品が読まれている作家はほかにはいないと思います。漱石は近代化が進む当時の日本人の考え方にを当てました。

ピーター?バラカン「およそ百年前ですね。」

小林章夫さん「そうです。工業化が進んでいたころです。漱石は人がどう生きるべきなのかということを真剣に考えた作家で、漱石の作品を読むことは日本人の真の姿を見つめることに繋がります。」

光岡ディオン「では、詳しく話を伺う前に漱石の生涯を辿って見ましょう。」

漱石は1867年東京で生まれました。その翌年、封建社会だった江戸時代が終わりを告げ、新しい時代が始まります。明治時代です。漱石は近代国家の道を歩み始めた日本とともに成長しました。一方、漱石は子供のころから落語を好んで聞いていました。落語は江戸時代に始まった大衆芸能です。一人係でさまざまな人物が描かれ、おかしい（有趣可笑的）話が展開されます。その巧みの話芸は後の漱石の作品に大きな影響を与えることになりました。

西洋文明を必死で取り入れようとする時流の中で文学に興味があった漱石は英語や英文学に興味を抱くようになります。1890年帝国大学、現在の東京大学英文学科へ進学しました。ここでした英語力が発揮されます。

この時期、西洋文明を取り入れようとしていた政府は数多くの留学生を海外に派遣しました。大学卒業後英語教師をしていた漱石も33歳の時ロンドンに渡ります。ロンドンでは二年間英文学の研究に打ち込み（埋头于）ました。帰国後、東京帝国大学講師に就任します。英文学者漱石は最高学府の教育者となったのです。

しかし漱石はエリートの道を歩むことに心が満たされませんでした。大学に勤めながら創作活動を始めた漱石は作家として生きていく決意を固めていきます。大学に辞表を出したのは漱石40歳のことでした。

漱石の処女作『吾輩は猫である』。英語教師の家に飼われている一匹の猫の視線から飼い主一家やその家に集うさまざまな人間たちがシニカル（讥讽的）にまたコミカル（滑稽的）に描かれています。英文学の教養と落語のユーモアが溶け合ったこの作品は大変な評判になりました。漱石は『吾輩は猫である』を皮切り（最初、手始め）に次々と作品を発表します。1916年49歳でその生涯を閉じる漱石の作家活動は11年でした。15編の長編小説を書く傍ら文芸批評や随筆を手がけ（亲自动手、着手）ました。

日本人に最も読まれている漱石の小説は『坊っちゃん』です。この小説は英語教師時代の体験が元になっています。漱石は28歳の時、愛媛の松山中学に英語教師として赴任しました。小説は正義感溢れる23歳の数学教師が東京から古い慣習の残る地方の学校に赴任したところから始まります。この小説の魅力は悪玉と悪役。それぞれ特徴的な登場人物たちです。み（阴谋诡计）をするのはフランネル（法兰绒）な赤いシャツをいつも着ている（副校长、首席教师）とお世辞（拍马、奉承、逢迎）ばかりがうまい卑怯者の美術教師です。主人公は乱暴だけれども正直な数学教師と協力して、二人を懲らしめ、学校を去っていくのです。