中空断面を有する積層ゴム支承の曲げ剛性に関する解析的研究.pdfVIP

[ カテゴリーIII] 日本建築学会構造系論文集 第558 号、149-156, 2002 年８月 J. Struct. Constr. Eng., AIJ, No.558, 149- 156, Aug. 2002 中空断面を有する積層ゴム支承の曲げ剛性に関する解析的研究 ANALYTICAL STUDY ON THE BENDING STIFFNESS OF HOLLOW CIRCULAR RUBBER BEARINGS 西村 功 Isao NISHIMURA Discussed in this paper is the bending moment supporting mechanism of laminated rubber bearings with a hollow circular section. The flexure stiffness of the hollow circular rubber bearing is analytically studied. The followings are the key issues discussed in this paper. (1) Derivation of the general governing equation that determines the distribution of pressure inside of the laminated rubber material. (2) Evaluation of the effect of bulk modulus on the bending stiffness. (3) Proposition of a simple formula that is close to the rigorous solution. (4) Discussion of the performance of hollow circular sections based on the analytical solutions. Keywords : rubber bearing, base isolation, bending stiffn ess, bulk modulus, Bessel function, inverse method 積層ゴム、免震構造、曲げ剛性、体積弾性係数、ベッセル関数、逆解析法 １ 序 論 知られており、中空断面を有することが必ずしも座屈安定性の向上に 免震構造に使用される積層ゴム支承の力学特性については既に多 は直結しない。 くの研究がなされており、通常の建物免震に用いられる積層ゴム支 以上のように、中空積層ゴムには高い座屈安定性と低いせん断剛 承については、実用範囲内でほぼその力学特性が判明している。一 性を同時に実現できる可能性がある反面、中空断面の選定には注意 般に、積層ゴムの設計に当っては、その水平変形能力とともに座屈 が必要であることが判る。座屈安定性の評価をするためには中空積 安定性が重要な要素である。水平変形能力は最終的にはゴムのせん 層ゴムの曲げ剛性ヤング率を正確に知ることが必須である。著者は、 断変形能力に依存するので、積層ゴムの厚みの総和に依存する。 中空積層ゴムの鉛直剛性ヤング率を評価する目的で、逆解析法によ しかし、積層ゴム支承の高さが増すと座屈安定性は損なわれる。 る応力解析により微小変形弾性理論の範囲で応力の釣り合い式