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ＮＥＤＯ海外レポート ＮＯ.1081, 2012.1.25 (資料 7) 【再生可能エネルギー（太陽電池）】量子ドット太陽電池セル 仮訳 NREL 研究者らが太陽からの入射光量子よりも多くの電子を 光電流で発生させる初の太陽電池セルを発表 （米国） 2011 年 12 月 15 日 米国エネルギー省(Department of Energy :DOE)国立再生可能エネルギー研究所 (National Renewable Energy Laboratory :NREL)の研究者らは、太陽スペクトルの高 エネルギー領域からの入射光量子（フォトン）により光励起した際に、100 パーセント 超の外部量子効率を有する光電流を発生させる初の太陽電池セルを発表した。 通常パーセンテージで表される光電流の外部量子効率とは、太陽電池セルに入射する 固有エネルギー（または波長）の単位秒当たりの光子の数で除した、１つの太陽電池セ ルの外部回路内を１秒間に流れる電子の数を指す。これまでの太陽電池セルで、太陽ス ペクトルのどの波長においても 100 パーセントを上回る光電流の外部量子効率を記録 したものは一つもない。 外部量子効率の最高値は 114 パーセントに達した。今回新たに報告された結果は、 太陽光発電およびソーラーフューエルの両方が化石燃料や核燃料のコストに匹敵ある いはそれを下回る「次世代太陽電池セル」の開発に向けた将来有望な１歩である。 多重励起子注1生成(MEG注2)が実現へのカギ このブレークスルーに関する論文は 12 月 16 日科学誌Science Magazineの記事に掲 載された。 「MEG による量子ドット太陽電池セルの光電流の外部量子効率の最高値が 100 パーセントを超える(Peak External Photocurrent Quantum Efficiency Exceeding 100 percent via MEG in a Quantum Dot Solar Cell)」と題する本論文は、NRELの科 学者Octavi E. Semonin氏、 Joseph M. Luther氏、Sukgeun Choi氏、Hsiang-Yu Chen 注 1 訳者注：励起子とは電子と正孔が対になったもので、半導体に当たった光のエネルギーで生成される。 通常は 1 個の光子で 1 個以下の励起子しかできない。 注2 訳者注：量子ドットに光が当たると多重励起子生成(MEG)が起こる。 48 ＮＥＤＯ海外レポート ＮＯ.1081, 2012.1.25 氏、Jianbo Gao氏、Arthur J. Nozikand Matthew C. Beard氏の共著である。この研究 はDOEの科学局、基礎エネルギー科学局より資金が提供されたCenter for Advanced Solar Photophysics とEnergy Frontier Research Centerの協力を受けて行われた。 Semonin氏とNozik氏はBoulderにあるコロラド大学にも所属している。 太陽光子を利用して 100 パーセント超の量子効率が発揮できるメカニズムは、多重 励起子生成(Multiple Exciton Generation: MEG) とよばれるプロセス、つまり一定レベ ル以上の高いエネルギーを持つ単一光子が複数の電子－正孔対を作ることが出来るプ ロセスに基づいている。 NREL の科学者Arthur J. Nozik 氏は、MEG はバルク半導体よりも半導体量子ドッ トにおいてより効果的であるという予測を2001 年の出版物で初めて示した。量子ドッ トは半導体内にある小さな結晶で、その大きさは1-20nm のナノサイズであり、1nm といえば10 億分の１メートルである。このサイズで半導体は以下に示す量子物理学的 理由により劇的な効果を発揮する。 量子ドットのサイズが小さくなることで、バンドギャップが急激に増加する 常温で相関