渡邊 芳之 - 心理学方法論 (朝倉心理学講座1 202015).pdf

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●まえがき  ここ数年,わ が国では心理学の方法論や研究法に関する本の出版が相次いで おり,日 本語で読めるそうした出版物が,比 較的入門的なものから非常に専門 的なものまで,多 数入手できるようになっている.こ の本も,そ うした多数に さらにひとつを加えようとするものであるが,方 法論や研究法に関する本がこ れほど多数出版されることには,大 きく分けて以下の2つ の理由があると考え られる.  第1に,心 理学の方法論や研究法をめぐる状況が急激に変化していることが ある.私 たち1960年 代生まれの心理学者が大学教育を受けた時代には,ご く 一部の分野を除けば ,心 理学が自然科学を範とした客観的方法を用いるべきで あることに異論を唱える者は少なかった.そ のため,心 理学の研究法として許 されるものの範囲もそれほど広くなく,研 究者が方法の選択に悩むようなこと は実際それほど多くなかった.  それが昨今では,新 しい研究法やデータ解析法が続々と開発されるだけでな く,そ れまで常識であった 「客観データに依存した科学」という心理学観自体 を批判したり,ま ったく別の道を示唆するような方法論が数多く提唱されるよ うになった.そ の結果,研 究者が自分の研究対象や目的に応じて方法論や研究 法を

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