文学史论文(晋老师)【荐】.docVIP

芭蕉の俳論について 　　　　　　　　　　　　――「不易流行」を中心に 要旨：松尾芭蕉は、俳諧（俳句）の歴史における最初の偉大な作家として知られる。芭蕉の高弟でもあり、焦門の2大俳書ともいうべき去来抄と三冊子の著者の去来と土芳の「不易流行論」を比べてみるとちょっとした違いがある。去来は「贈晋子其角書」において「句に千歳不易のすがたあり。これを両端に教へ給へども、その本一なり。一なるはともに風雅の誠をとれば也。不易の句を知らざれば本たちがたく、流行の句を学びざれば風あらたまらず。よく不易を知る人は、往々にして移らずといふことなし。たまたま一時の流行に秀でたるものは、ただおのれがくちぐせの時に逢ふのみにて、他日流行の場にいたりて、一歩も歩むことあたはず。」また、土芳のには「師の風雅に万代不易あり、一時の変化あり。不易といふは、新古によらず、変化流行にもかかはらず、誠によく立ちたるすがた土芳不易と流行とう言葉の意味を考えてみると「不易」とは変わらないこと「流行」とは変わることとまったく反対の言葉を取り合わせたように見える。松のことは松に習へ、竹のことは竹に習へと、師のことばのありしも私意をはなれよといふことなり。閑寂さ土芳のには「師の風雅に万代不易あり、一時の変化あり。不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風(ふう)新たならず。? 「不易とは永遠不変であることであり、流行とはその時々に応じて変化することである。しかし芭蕉は、芸術というものは一見相反するかに見えるこの二契機の二重奏的合奏においてのみ、真に永遠たりうるものだ、と考えるに至ったのである。」と芭蕉の研究者は評価する。 万葉の時代から無数の和歌、俳句などが詠まれ続けられる中で、それぞれの時代らしい発想や表現が生み出されつつも、和歌や俳句が持つその本質的なものは常に変わらない、というこの真理は、芭蕉はそれを「不易」と称する。代々の歌人の歌をみる、代々変化あ。不易の面と，時代によって変わる流行の面と芭蕉は、笈の小文に、「造化に順い造化に帰れ」と云っている。これは私意小我を去って自然の生命と同化融合せよということで去来抄江戸中期の俳論書。3冊（版本）。向井去来著。芭蕉および門人の俳論を集成したもの。「さび蕉風俳諧の本質に触れたものが多い。 『三冊子江戸中期の俳論書。3冊。服部土芳(はっとりとほう)著。「白冊子」「赤冊子」「忘れ水（黒冊子）」の3部からなり、蕉風を忠実かつ体系的に伝えようとしたもの。 『贈晋子其角書人気のないところに、今はただ夏草だけが生い茂るばかりだが、ここは、かつて義経主従や藤原一族の者たちが功名?栄華を夢見たところである。知るや知らずやこの夏草を眺めていると、すべてが一炊の夢と消えた哀れさに心が誘われる。笈の小文