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大成建設技術センター報 第37号(2004) 万能型シールド工法の開発 －実験機による拡縮面板荷重実験およびＦＥＭ計算結果の検証－ 園村 俊一＊１ Keywords : replacement of cutterbit, water tight tunnel, mechanical extension/reduction type cutter face, deep underground excavation, long distance excavation カッタビット交換，ウォータータイトトンネル，拡縮面板，大深度，長距離掘進 1. はじめに 近年、環境問題等により、地下水位に影響を与えず （ウォータータイト）に山岳トンネルを掘削することが 要求されています。その対応工法として、切羽を密閉し て掘削することが可能な岩盤シールド工法の適用が検討 されています。この場合、地下水圧下におけるディスク カッタの交換方法が問題となります。 また、平成１３年４月に「大深度地下の公共的使用に 関する特別措置法」が施行され、用地等の問題で３０年 以上凍結されていた東京外郭環状道路の練馬区大泉ＪＣ Ｔ～世田谷区東名ＪＣＴ間約１６ｋｍが平成１５年１月 図-1 万能型シールド概念図 に、国土交通省と東京都の間で大深度地下で建設するこ Conceptual diagram of All Around Type Shield Machine とが合意されました。以上の背景のもと大深度（高水 換作業等が可能で、地質地盤にあわせたカッタビットを 圧）地下における長距離掘進技術の開発が急がれるとこ 採用することにより、軟弱地盤から岩盤まで１台のマシ ろです。 ンで掘削可能な「万能型シールド工法」を開発しました。 従来のシールド工法は、カッタヘッドにティースビッ 本書では、この万能型シールド工法のカッタビット交 トを装着し地盤を切削して掘進する工法で、都市部の未 換機構を報告するとともに、当マシンにはカッタ面板に 固結の軟弱地層から砂礫層で採用され、ＴＢＭ（トンネ リンク支持式の拡縮面板を採用しているため、掘進時に ルボーリングマシン）工法は、カッタヘッド面板にディ 十分なカッタ剛性を確保する必要があり、その剛性を確 スクカッタを装着し岩盤を圧砕して掘進する工法で、玉 保するため実施した面板荷重実験およびＦＥＭ構造解析 石を含む礫層や岩盤層で採用されていました。一般的に、 結果について報告します。 シールドやＴＢＭ工事において、水圧の作用するところ でのカッタビットの交換方法は、あらかじめ、トンネル 2. 開発の概要 計画線上に交換用の立坑を築造して行う方法や圧気また は薬液注入による地盤改良および地下水位を低減させる