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重心動揺の反応時間とパーソナリティ
Title 重心動揺の反応時間とパーソナリティ
Author(s) 朝長, 昌三
Citation
Issue Date 1995-01-31
URL /10069/15349
Right
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
長崎大学教養部紀要(人文科学篇) 第35巻 第2号 139-146 (1995年1月)
重心動揺の反応時間とパーソナリティ
朝長昌三
SHOZO TOMONAGA
and 430 msecond respectively.
jects in each foreperiod.
introversion
反応時間(RT)は一般に,感覚系・判断系・運動系の所要時間の合計と考えられ,
種々の分野で研究が行なわれている.
鋤柄(1980)は,方向の異・同判断における比較処理過程について,手による電鍵
滞児群と普通児群(N群)に対して,利き手の人指し指によるRTを測定し, N群
および注意切り換えのための時間を測定するため,継時呈示される2聴覚刺激の周波
数異同弁別課題下で,両刺激が同側耳に呈示される条件と異側耳に呈示される条件問
140 朝長
の反応時間の差を検討し450-560msecの反応時間という結果を得た.また日岡ら
結果を得た.
その他,脳波と単純運動RTとの関係についての研究,運動遂行と事象関連脳電位
との関連においてRTを測定する研究,随伴性陰性変動とRTとの関連について行な
われた研究,筋電図とRTとの関連についての研究,皮膚電気活動とRTとの関係に
関する研究,心臓活動とRTとの関係についての研究,薬物投与によるRTへの影響
についての研究などが行なわれている.
このような研究から, RTは人間一般の内的過程を研究する道具として,広く用い
られていると考えられる.
以上のように聴覚,視覚,触覚,振動感覚,味覚といったほとんどの感覚モダリティ
における反応時間の研究はこれまで多く行なわれてきた.しかしながら,重心動揺に
関する反応時間の研究については行なわれていないようである.
そこで,本研究では,重心動揺特に左右動揺のRTの測定,およびRTとモーズレ
イ性格検査による性格要因との関係を検討することを目的とした.
方法
被験者は実験に先だって,モーズレイ性格検査(MPI)を受け,その後,実験室
に入室した.図1は実験装置の概要である.図のように,重心動揺は正三角形3点支
持の平衡職能計(1GO 1,三栄測器社)を用いて測定した.検出台からの出力は座
標変換増幅器によって増幅され,レクチグラフ(8KIO,三栄測器社),カセットデー
タレコーダ(R-61, TEAC社)に入力された.
被験者は検出台上に,榎を接
し足尖を45度に開いて直立し,
両上肢を体側に接した姿勢をとっ
た.検出台上での被験者の重心
動揺が安定したことを,レクチ
グラフに描かれる動揺の波形に
よって確認した後,ペンの零点
位置を調整した.
視覚刺激は被験者の前方約2
mに設置されたコンピュータ
のディスプレーに呈示された.
重心運動の反応時間とパーソナリティ 141
36 deg/secの速度で赤色の円が描かれる.
被験者に対して, 「ディスプレーを見てください.青色の鉛直線分が1sec, 2sec,
されますので,赤色が見えたらできるだけ速く重心を右方に移動させ,赤色の運動に
合わせて追従運動をして,円を描いてください.決して,赤色が呈示される前に重心
を移動させてはいけません」という教示を与え,練習を行なった.
各警告信号の呈示数は先行間隔が1秒の場合が14試行, 2秒が9試行, 3秒が9試
行毎に休憩をとらせた.
被験者は男子学生10人,女子学生10人の計20人であった.
結果
1.反応時間
入力され,トリガーのかかった時点から反応までの時間を測定した. OMNIACEの
サンプリングタイムは5
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