第8回資料.doc

情報処理応用　第８回資料　【LINEST関数による単回帰分析】 これまでの講義資料はHPの左側リンク「情報処理応用」からダウンロードできます。 【回帰分析と単回帰分析】 回帰分析(regression analysis)とは、従属変数（目的変数）と独立変数（説明変数）の間に式を当てはめ、従属変数が説明変数によってどれくらい説明できるのかを定量的に分析すること。 説明変数が１つの場合を「単回帰分析」、説明変数が複数ある場合を「重回帰分析」という。 【線形回帰】 ２つの変数間の関係を一次方程式、つまり直線の式で表すような回帰のことを直線回帰（線形回帰）という。つまり、２つの変数 の関係を一次方程式　　で表す。 【最小二乗法】 回帰直線を求めるもっとも一般的な方法で、直線とデータとの誤差の二乗和を最小にすることで、回帰直線を求める。 例）４組のデータがある場合 このとき、回帰直線の傾きaと切片bは以下のように計算される。 ，　 また、回帰直線によって求められたyの値が、実際に観察された値をどの程度説明できているか、つまり回帰直線の「当てはまりの良さ」を示す指標として、決定係数 があり、相関係数（ピアソンの積率相関係数）の2乗で求められる。 【Excel関数による回帰直線の傾き?切片の計算】 Excelの関数によって回帰直線の傾きと切片を求める場合は、以下のような関数が使える。 傾き：　=SLOPE (既知のy, 既知のx)　　※y, xの順なので注意 相関係数：　= INTERCEPT(既知のy, 既知のx)　　※y, xの順なので注意 決定係数 ：　= RSQ(既知のy, 既知のx)　　※y, xの順なので注意 【グラフによる回帰直線の計算と表示】 Excelのグラフ機能には、回帰直線（曲線）や決定係数を計算?表示する機能がある。 （手順） 既知のデータから散布図を描く データ点を右クリックし、「近似曲線の追加」を選択する 「線形近似」を選択し、「グラフに数式を表示する」「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックを入れる グラフ上に回帰直線とその式、および決定係数が表示される 　　 【LINEST関数による単回帰分析】 LINEST関数を使うと、回帰直線の係数のほか、回帰の補正項と呼ばれる各種の数値を計算することができる。 LINEST関数による回帰分析：　=LINEST (既知のy, 既知のx, 定数, 補正項)　 「定数」「補正項」はそれぞれTRUEまたはFALSEを指定する。 「定数」にTRUEを指定すると回帰直線の切片が計算され、FALSEを指定すると回帰直線の切片を0としての値が計算される。 「補正項」にTRUEを指定すると回帰直線の補正項が計算され、FALSEを指定すると回帰直線の傾きと切片のみが計算される。 単回帰分析の場合、出力は最大で2×5の配列となり、ヒストグラムの計算の際に用いた配列入力方法で入力する。 （手順） 分析結果を入力する領域を選択する（2×5） =LINEST(既知のy, 既知のx, 定数, 補正項)　と入力する 「Ctrl」+「Shift」+「Enter」を入力する LINEST関数により、それぞれのセルに表示される数値は以下の通りである。 (1)　xの係数：a (2)　回帰直線の定数：b (3)　係数に対する標準誤差： (4)　切片に対する標準誤差： (5)　決定係数： (6)　yの標準誤差： (7)　F補正項またはF観測値：F (8)　残差の自由度： (9)　回帰の平方和： (10)　残差の平方和： xの係数：回帰直線の傾きの値 回帰直線の定数：回帰直線の切片の値 (3),(4) 係数?切片に対する標準誤差：真の係数?切片からの乖離、すなわち推定値の不確かさを表す。「標準誤差」とは、データから作られた統計量の標準偏差のこと。 決定係数：回帰直線の当てはまりの良さを表す指標。相関係数の2乗となる。 yの標準誤差：実際に観察された値と、回帰直線による推定値の誤差の標準偏差。誤差の平均的なばらつきの大きさを示す。　=STEYX(既知のy, 既知のx)　　でも求められる。　 （kは定数を含めた変数の数） F補正項またはF観測値：分散比Fの値で、回帰式が統計的に有意であるかF検定により確かめられる。 残差の自由度：自由度はデータ個数による説明力の差異を示すもので、で計算される（nはデータ数、kは定数を含めた変数の数）。 回帰の平方和：予測値と観測値の平均の差の平方和で、予測値が目的変数の周りでどの程度ばらついているかを示す。 (10)　残差の平方和：観察値と推定値の誤差の平方和で、予測の誤差の程度を表す。小さいほど回帰の当てはまりがよいと考えられる。 ※2変数の差の2乗和は　=SUMXM