双安定環状単方向結合写像格子の指数関数的過渡振動とその安定化.pptVIP

双安定環状単方向結合写像格子の指数関数的過渡振動とその安定化 香川大学工学部 堀川　洋　　北島博之 1. 研究の背景 ?指数関数的遷移過程(超過渡状態) 初期状態 → 遷移状態(過渡状態) → 平衡状態 　　　　　　　　　　　↑ 遷移時間が系の大きさに対して指数関数的に増加 　　T ∝ exp(N) → 実質的な時間内 ? 平衡状態 → 過渡状態 ? 系の機能にとって重要 1. 研究の背景 ?指数関数的遷移過程の例 1. 双安定反応拡散系 界面、パルスパターン → 空間一様状態 1. 研究の背景 ?指数関数的遷移過程の例 2. 結合写像格子(CML) ?3周期の窓 遷移カオス → 3周期軌道 1. 研究の背景 ?指数関数的遷移過程の例 3. 環状神経回路 進行波(振動) → 平衡状態 1. 研究の背景 ?反応拡散系の界面の移動 ?環状神経回路のパルス波の伝播 ?対称的な双安定性 ?共通の機構 dl/dt ～ -exp(-l) l：界面間の距離 パルス幅 ?本研究の目的 単方向に結合した双安定な環状の写像格子 → 同様な指数関数的遷移過程が見られるか? 2. モデル 単方向に結合した環状写像格子 n：格子番号, N：格子数 (N ≥ 3) t：離散的時間 xn(t)：時刻tにおけるn番目の格子の状態 双安定な平衡状態：xn = ±c1/2 (1 ≤ n ≤ N) 2. モデル ランダムな初期状態：xn(0) ~ N(0, 0.12) → パルス状進行波 (xn(t): c1/2 ? -c1/2 ) 3. パルス波の伝播方程式 N：偶数のとき (N = 2M) 初期状態： → 対称型パルス波 部分空間内：xn = -xN/2+n (1≤ n ≤ N/2)で安定 3. パルス波の伝播方程式 単位格子あたりの伝播時間 Δt： xn-1(t) = 0 → xn(t + Δt) = 0 3. パルス波の伝播方程式 単位格子あたりの伝播時間 vs パルス幅：lh Δt： xn-1(t) = 0 → xn(t + Δt) = 0 3. パルス波の伝播方程式 仮定： パルス波面の伝播時間：Δt → 後方のパルス波面までの距離：lに依存 パルス幅：lの変化 → 2つのパルス波面の伝播速度の差 4. パルス波と振動の持続時間 非対称パルス波の持続時間：T(l0; N) 初期状態： (l0≠N/2) → 初期パルス幅：l0，N - l0を持つ不安定な進行波 l(T) = 0 → 4. パルス波と振動の持続時間 1. 非対称パルス波の持続時間：T(l0) 　N → ∞とすると T(l0)～exp(l0) ??? パルス幅に対して指数関数的に増加 4. パルス波と振動の持続時間 1. 非対称パルス波の持続時間：T(l0) T(l0) ～ exp(l0) 4. パルス波と振動の持続時間 2. ランダム初期状態(xn(0) ~ N(0, 0.12))から生じるパルス波(l0 ~ U(0, N/2))の持続時間の分布：h(T) 4. パルス波と振動の持続時間 2. ランダム初期状態から生じるパルス波の持続時間：Tの分布：h(T) h(T)? 1/T (T Tc) ? exp(-T) (T Tc) カットオフ： Tc = exp(αN/2)/(αβ) ≈ 3×106 (N = 20) Prob{T Tc} ≈ 4exp(-2)/(αN) ≈ 0.357/N ≈ 0.018 (N = 20) 4. パルス波と振動の持続時間 2. ランダム初期状態から生じるパルス波の持続時間：T 5. 雑音による振動の持続 時空間的な加法的雑音の存在 → パルスの伝播方程式 + 雑音項 5. 雑音による振動の持続 5. 雑音による振動の持続 振動の持続時間の平均：m(T(l0)) 　　分散：σ2(T(l0)) 6. 平衡点の分岐による振動の安定化 結合強度：c → 大 ? 平衡点への漸近：単調 → 振動的 ?周期倍化分岐 ? 周期解 → カオス ?Neimark-Sacker分岐 ? 概周期解 → カオス 平衡点(c1/2)の回りでの線形化写像 6. 平衡点の分岐による振動の安定化 平衡点 → 周期倍化分岐 → 周期解 → カオス c = 0.5 7. まとめ 単方向に結合した環状の双安定写像格子 →