宮崎駿3.ppt.pptVIP

宮崎駿 3;①　最初の監督作品であるTVアニメ「未来少年コナン」では、主人公の少年コナンが、機械化国家インダストリアに追われる少女ラナを助けたことから、物語のすべてが始まっている。;②　コナンはラナが何度ピンチに落ちても、持っている力のすべてを使って救出に向かう。ラナもやがてそれに全面的な信頼を寄せるようになっていく。;③　高い塔のような難所に悪漢が少女（お姫様）を閉じ込め、それを主人公が知恵と勇気で助けに行く、という物語構造は、昔話にもある普遍的なものである。宮崎アニメでは、コナンの後にも「ルパン三世?カリオストロの城」と「天空の城ラピュタ」で、この基本パターンが繰り返されている。ただ、「ルパン」の主人公は少年ではなく、中年になっていしまったルパン三世だが、、、;④　この古典的救出劇の宮崎バージョンには、四つの基本法則がある。;⑤　まず、少年は少女に異常な状況で巡りあわなければならない。第二の法則は、少年は少女に一目ぼれをしなければならない、ということ。第③に、高い城に閉じ込められた少女は、救助が来るまで窓辺に座って夜空を見上げて、物思いをふけらなければならない。第四は、クライマックスで少女は悪漢の城で高所に立たされ、大ピンチに陥るという鉄則である。;⑥　ラナは三角塔の目もくらむ高所に張り出された細い板を歩けと、悪役レプカに強いられる（コナン）。クラリスはカリオストロ伯爵に追い詰められ、時計塔の針の上をじりじりと追い詰められる（ルパン）。シータは火に包まれたティデス要塞の屋上へと追い詰められる（天空の城）。;⑦　この危機一髪のとき、ヒロインのロングスカートが風にはためいて、高さと緊迫感を煽るのが大事なポイントである。（パンチラは厳禁）;⑧　これらは古典的な物語が繰り返して語ってきたもののエッセンスであり、その中で宮崎監督的に気持ちの良い部分を残してきた、ということであろう。;⑧　これらは古典的な物語が繰り返して語ってきたもののエッセンスであり、その中で宮崎監督的に気持ちの良い部分を残してきた、ということであろう。;⑨　だが、「もののけ姫」にでもなると、話がまた違ってくる。一見してひさびさに少年アシタカと少女サンの物語となったが、いくつかの作品を経たことで、単純な「少年少女」の図式とはかけ離れた関係となっている。;⑩　アシタカもサンを救おうと考えてはいるが、それはもはや物理的な幽閉から救出するといったこととは違ってきている。;?　アシタカはサン自信と彼女の置かれた状況を理解することで救おうとし、サンはそのアシタカの気持ちに信頼を置きながらも、物語の最後では、アシタカと手を取り合うことはできない。それを良しとするアシタカ。お互いを認め合う関係が、しっかりと描かれている。;?　ここに宮崎監督が到達した新しい、「少年少女像」が、はっきりと見えるのである。