席次の原则.docVIP

　食事や会合、また車や列車でお客さまや目上の方と同席する場合、どの席をすすめ、自分はどの席に座りますか？席次をわきまえておくことは、お客さまに快適に過ごしてもらうための配慮の一つです。 ●部屋での席次　まず、一般に入り口から遠いところが上席、入り口に近いところが末席と覚えておきましょう。入り口の近くは人の出入りで落ち着かず、冬は寒いからです。和室では床の間、洋室では暖炉や絵画を飾った壁面が上席の目安となります。 ■洋室　洋室でも原則は同じですが、椅子にも格があることに注意しましょう。特に、応接室では、数種類の椅子によって応接セットが組まれていることが多いので、目安にするとよいでしょう。基本的に、背もたれと肘かけ付きの長椅子（ソファ）が客用となり、肘かけと背もたれ付、背もたれ付き、肘かけも背もたれもない椅子が末席の順になります。■和室　床の間のある部屋では、床の間を背にする位置が上席です。床の間がない部屋では、入り口から遠い位置を上席と考えます。また、美しい庭や景色がよく見とおせる部屋などの場合は、お客さまに庭などがよく見える位置に座っていただきます。ただ、出入り口に近く、人の出入りが気になるような場合、お客さまに、庭が見える側ではなく、出入り口から離れた位置に座っていただくこともありますので、お客さまの希望をお伺いするなどし、状況に応じて対応をしましょう。  ●料理店では　料亭など和風の料理店では和室の、レストランでは洋室の席次の原則がそのまま当てはまります。中華料理店などに多い丸テーブルでも入り口から遠い奥の中央が最上席で、順にテーブルに向かって左右に座り、最上席の正面がもてなすあるじ側の席となるのが一般的です。カウンターの場合は、中央が最上席、奥が次席、入り口に近い場所が末席です。 ●乗りものの席次? 乗りものにも席次があります。一般的には景色の見える窓側の進行方向に向いた席が上席です。その人の好みもありますので、迷ったときには「その人にとって最も居心地のよい場所」に変更してもよいでしょう。  ■車　運転手がいるタクシーなどでは、運転席の後ろが上席です。後部座席に三人座る場合は中央が第三席ですが、床が高くなっていることが多いため、女性を中央に座らせるのは避けるのがエチケットです。助手席はどんな場合でも末席となります。お客さまや目上の方が運転する場合や自家用車に同乗させてもらう場合は、助手席が上席になります。複数の場合は、助手席が上席になります。複数の場合は、メンバーの中で最上位の人が助手席に、次の人が運転席の後ろ、続いて助手席の後ろ、中央の順に座ります。 ■列車?飛行機　いずれも、景色がよく見える進行方向の窓側が最上席です。しかし、通路側の席のほうが好きな方に、上席だからと無理に窓側をすすめるのはやめましょう。席次は原則をわきまえた上で、そのときの同行者や状況に応じて対応することが大切です。■エレベーター　操作盤のある側の奥が最上席で、次いで操作盤のない側の奥、同じ側の扉側、操作盤の前が末席となります。末席の人はエレベーターを操作する役目を負います。乗降も扉が途中で閉まったりしないよう確認しながら一番最後に行ないます。 右が上席？左が上席？ 目上の大事なお客様と一緒に記念写真を撮ることになりました。あなたは、お客さまのどちら側に立ちますか？国際化が進んだ現代では、下位のあなたがお客さまの左側（カメラマンから見るとお客さまの右側）に立つのが正解です。左より右が上位（カメラマンから見ると右より左が上位）とされているためですが、昔の日本は左大臣の方が右大臣より上位だったように逆でした。ちなみに、昔は雛人形も向かって右が男雛、左が女雛でしたが、現代は左に男雛、右に女雛を飾るのが一般的です。これは、結婚式の新郎新婦の並び方も同じ。大正天皇が即位時に欧米式に並ばれたのが始まりとされています。