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仮想マシンのプロセッサ互換性モード 作成者 : Rajesh Dave 仮想化の普及率がますます高まるにつれて、異なる仮想化対応プロセッサを実行するさまざまなサーバー群にまたがって、仮想マシン (VM) を展開および実行することが求められています。実行中の仮想マシンを、異なるプロセッサ実行サーバーに移動する場合、その仮想マシン内で実行されているアプリケーションが、移動先のプロセッサ上でも引き続き動作するように、必要なサポートを仮想化プラットフォームで提供する必要があります。Windows Server 2008 R2 Hyper-V では、Hyper-V をサポートする複数のプロセッサ間で、実行中の仮想マシンを移動できるようにする、プロセッサ互換性モードという機能が導入されます。このドキュメントでは、そのプロセッサ互換性モードについて詳しく説明します。 導入シナリオ ある仮想マシンをホスト A で実行しています。この仮想マシンをデータセンター内のホスト B に移動して、物理サーバーの負荷を効率的に分散したいと考えています。 同一のプロセッサを実行する複数のホストから成るクラスターを構築しました。1 台のホストでハードウェアの障害による問題が発生したので、別のサーバーを購入してクラスターに追加します。多くの場合、新しく追加されたサーバーでは、クラスター内の他のホストにはない、新しいプロセッサ機能が提供されますが、クラスター内のどのノード間でも、実行中の仮想マシンを自由に移動できるようにしたいと考えています。 ある仮想マシンをホスト A で実行しています。この VM をアクティブなメモリの状態と共に保存し、後日、Hyper-V が有効になっている任意のホストで、その VM を復元したいと考えています。この復元先には、ホスト A 以外のホストを使用する可能性があります。 問題の説明 正常に動作するアプリケーションのほとんどは、推奨される方法、つまり CPUID 命令を呼び出すことによって、使用可能なプロセッサ機能を照会します。仮想化環境内では、VM を別のサーバーに移動しても、VM 内で実行されているソフトウェア アプリケーションは、その変更をまったく認識しません。アプリケーションは、移行元のホスト上で起動されたときに検出した CPU 機能を実行しようとする場合がありますが、それらの機能は移行先のホストでは提供されない可能性があります。このため、仮想化プラットフォームで、アプリケーションの正常な動作を維持する必要があります。この役割を果たすのは、プロセッサの互換性の確認機能です。実行中の VM を移行先で復元する前に、この機能を実行して、移行先のホストで移行元のホストと同じ CPU 機能またはそのスーパーセットが提供されるかどうかを確認します。ある VM をホスト A からホスト B に移動する場合、ホスト A とホスト B で提供されるプロセッサ機能の違いが原因で、VM の移行が失敗する可能性があります。詳細については、次の表を参照してください。 ホスト A のプロセッサ機能 ホスト B のプロセッサ機能 VM の移行 結果 ホスト B と同じ (機能 : X、Y、Z) ホスト A と同じ (機能 : X、Y、Z) ホスト A からホスト B への移行 ホスト B からホスト A への移行 成功成功 ホスト B のスーパーセット (機能 : X、Y、Z) ホスト A のサブセット (機能 : X、Y) ホスト A からホスト B への移行ホスト B からホスト A への移行 失敗成功 ホスト B のサブセット (機能 : X、Y) ホスト A のスーパーセット (機能 : X、Y、Z) ホスト A からホスト B への移行ホスト B からホスト A への移行 成功失敗 ホスト B と異なる組み合わせ* (機能 : X、Y) ホスト A と異なる組み合わせ* (機能 : Y、Z) ホスト A からホスト B への移行ホスト B からホスト A への移行 失敗失敗 *このシナリオに当てはまるプロセッサは現在のところありませんが、今後プロセッサ ベンダーが、ほとんど使用されない機能を製品に組み込まなくなった場合、このような状況も考えられます。 プロセッサの互換性の確認機能を使用すると、VM の移行の信頼性を高めることができますが、柔軟性は低下します。そのため、Windows Server 2008 R2 RC (Release Candidate) 版 Hyper-V では、ホスト A とホスト B の間で正常に VM を移行することを可能にする、プロセッサ互換性モードという機能が導入されま。