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病理学講義ノート　１５ 基礎知識の復習 １．遺伝子で正しくないのはどれか？ １）DNAの変異を修復する機構がある。 ２）DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。 ３）DNAには遺伝子の発現を調節する部分がある。 ４）DNAの遺伝子情報からmRNAが作られるのが転写である。 ２．炎症の局所症状と組織変化の組み合わせで正しくないのはどれか？ １）熱感---------末梢血管の収縮 ２）発赤---------血管の拡張 ３）腫脹---------毛細血管の透過性亢進、浸出液 ４）疼痛---------肉芽組織の増殖 ３．循環障害と疾患の組み合わせで正しくないのはどれか？ １）虚血――――――――解離性動脈瘤 ２）充血――――――――太田母斑 ３）うっ血―――――――下肢静脈瘤 ４）ショック――――――第3度熱傷 ４．免疫機構について記した下記の分を完成させよ。 免疫反応は主に免疫グロブリンにより媒介される液性免疫とリンパ球による非自己傷害?排除反応による細胞性免疫とに大別される。非自己の排除のためには、抗原に対する特異的な反応を起こすことが必要である。免疫系の主体はリンパ球であり、主に液性免疫をBリンパ球と主に細胞性免疫を行う Tリンパ球に分類される。 ５．免疫グロブリンについて正しくない組み合わせはどれか？ １）IgG　　　　免疫応答初期に出現する。 ２）IgM　　　　５量体で、2次応答に出現する。 ３）IgA　　　　分泌液などに存在し、粘膜免疫を担う。 ４）IgE　　　　即時型アレルギーに関与する。 ６．病理学的変化とその説明で正しくないのはどれか？ １）肥大　　　　細胞の容積の増加 ２）化生　　　　異所性の組織変化 ３）壊死　　　　生体内の組織の部分的な死 ４）変性　　　　臓器の容積が傷害によって小さくなること。 ７．萎縮について正しくない組み合わせはどれか？ １）生理的萎縮　　　　　　老化に伴って起こる萎縮 ２）圧迫萎縮　　　　　　　水頭症のような実質の萎縮は長期間組織が圧迫されて起こる。 ３）廃用性萎縮　　　　　　神経の遮断によって筋肉の萎縮が進むようなこと。 ４）飢餓萎縮　　　　　　栄養摂取ができないために起こる萎縮。 ８．黄疸を起こす機序ついてそれぞれ説明しなさい。 １）溶血性黄疸 過剰の溶血のために肝細胞の処理能力を超えるビリルビンが産生される。 ２）肝細胞性黄疸 肝炎などの肝細胞傷害 ３）閉塞性黄疸 胆石や胆管癌などの胆道閉塞 ９．出血傾向を起こす原因を3つ挙げよ。 血小板の減少、凝固因子の異常、血管壁の脆弱性 １０．播種性血管内凝固症候群について文章を完成させなさい。 悪性腫瘍の全身転移や胎盤の早期剥離などでは、血中に組織由来の凝固因子がはいることがある。初めに出血傾向とは逆の血栓ができやすくなり、全身の小血管に多発性の血栓ができる。その結果として凝固因子が使われて減少するために出血しやすくなる。治療には凝血を溶かすヘパリンを使用する。 １１．炎症に関与する細胞の説明として正しくないものはどれか？ １）好中球　　　　　　中性好性の顆粒を持ち、貪食能、遊走能、殺菌作用が活発。 ２）好酸球　　　　　　I型アレルギーの原因となる。 ３）好塩基球　　　　　寄生虫感染などで増加する。 ４）単球　　　　　　　炎症細胞の中で最大で、貪食作用によって異物の処理を行う。 ５）リンパ球　　　　　白血球の中で最も小さい細胞で、抗体産生や異物の排除に関与する。 １２．アレルギーの説明で正しくないものはどれか？ １）I型アレルギー　　　抗原が体に入って数分でおこり、抗原はIgEに結合する。気管支喘息など。 ２）II型アレルギー　　 抗原と抗体の結合物が沈着して補体の活性化などを介して組織傷害がおこる。 ３）III型アレルギー　　細胞に対する抗体によって起こる反応。不適合輸血の際の溶血など。 ４）IV型アレルギー　　抗原特異的なT細胞によって起こる。ツベルクリン型アレルギーとも呼ぶ。 １３．AIDSに関して下記の文を完成させなさい。 AIDSの原因ウイルスはHIV (human immunodeficiency virus)というレトロウイルスである。HIVは CD4陽性T細胞や樹状細胞に感染し、とりわけCD4陽性T細胞を減少させて、免疫不全状態をきたす。感染経路は性交が主なものであるが、全血輸血や血漿製剤輸血や針刺し事故なども経路のひとつである。 １４．悪性腫瘍の細胞や組織の特徴で正しくないのはどれか？ １）核が大きく、核／胞体比が大である。 ２）核は不整で、クロマチンの分布が不平等で均一ではない。 ３）分裂像がほとんどない。 ４）細胞の形態は均一で、分化度が高い。 １５．転移に関する説明