福祉国家批判リベラリズム批判 -r.docVIP

福祉国家批判?リベラリズム批判 目次 アラン?リピエッツ「アフター?フォーディズムと民主主義」（清水耕一訳） 山田鋭夫?須藤修編著『ポストフォーディズム』（大村書店、1991年） クラウス?オッフェ『後期資本制社会システム――資本制的民主制の諸制度』 （寿福真美編訳、法政大学出版局、1988年） ピエール?ロザンヴァロン『連帯の新たなる哲学――福祉国家再考』 （北垣徹訳、勁草書房、2006年） 廣瀬純『闘争の最小回路――南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン』（人文書院、2006年） 絓秀実『１９６８年』（ちくま新書、2006年） L F?セリーヌ「フォードにおける医療」 『セリーヌの作品 第十二巻[評論]』（磯野秀和他訳、図書刊行会） Helen Hershkoff and Adam S. Cohen,“Begging to differ: the first amendment and the right to beg”, Harvard Law Review, January 1991 アラン?リピエッツ「アフター?フォーディズムと民主主義」（清水耕一訳） 山田鋭夫?須藤修編著『ポストフォーディズム』（大村書店、1991年） 「就業者、すなわち雇用者ならびに被雇用者は、「資金」を増加させるために福祉国家に対して税金と社会保障負担金を支払う。この徴収額があまりに大きければ、就業者は文句を言いはじめる。彼らは「怠けもの」、すなわち働かない者のために支払っている、と。実際は、これらの人びとは本当に働きたいのであるが、しかしまさに賃金を得て働くということができないのであり、さらに社会保障手当てを受け取っているかぎり働く権利を持たないのである。…… 　フォーディズム流の福祉国家の二重の精神分裂症を避ける方法が一つある。それは規模を制限された（現在の失業率のように活動人口の一〇パーセント程度）、新しい事業セクターを創出することである。このセクターの男女労働者は、あるいはむしろこれらの労働者に支払うべき組織（「公益活動斡旋機関」と呼ぼう）は、福祉国家から継続的に失業手当て（さらにこの手当て自体が真の普遍的手当てへと拡充されるべきである）と同額の補助金を受け取り、失業者が支払う社会保障負担金以上の額を支払わなくてよい。こうすればこの操作は福祉国家にとってただになろう。このセクターの被雇用者はこの組織から正常な社会的権利とともに正常な賃金を受け取る。彼らの活動は、もちろん補助金を得ているのであるが、以下のような社会的に有益な作業に捧げられよう。……病人の看護、リハビリ補助……環境の改善、特に貧民街の改善等……社会保障負担金を支払っている就業者は何のために支払っているのかを理解することになろう。つまり社会的に有用な事業に支払っているのだ、と。」 127-129 クラウス?オッフェ『後期資本制社会システム――資本制的民主制の諸制度』 （寿福真美編訳、法政大学出版局、1988年） 「政治的―管理行政的行為の合理性基準と機能問題」 「私の命題はこうである、公的行政は今日その多くの課題領域において、国家的な計画化と諸機能がもはやひとり行政のみによっては引き受けられず、個々の市民やその社会組織自体が行政機能に入りこむ、そういう状況に直面している、と。 　このことはサーヴィスという特有な「生産諸関係」においてもっとも良く証明される。ほとんどすべてのサーヴィスの一般的特徴は、生産と消費が時間的、空間的に一致するということである。離れた場所から、また「髪がのびてもいないのに」前もって散髪することはできない。さらに、国家によって組織された多くのサーヴィスのもうひとつの特徴は、それが生産されるさい生産者と消費者の分離が不明瞭になるということである。すなわち学校、病院、刑務所、さらにまた福祉制度や交通制度をも整備する目的としての「生産」は、原則としてその生産の担い手と利用者が協力しながら行われ、したがってその「生産性」は、この両者および両者間で生ずる相互行為という指標に依存する。加工「対象」すなわちサーヴィスの顧客は、物質的生産の場合のように、同等の様式で対象化されるのではない。むしろ「対象」（たとえば生徒）は自分自身の下で「生産」を（知識と能力の獲得を）、管理行政が設定した諸条件の下で行う。そのさい――いかなる財の生産とも異なり――これらの条件そのものは生産物の完成を充分に保証しない。特定の「生産的」相互行為に参加するという顧客の準備がつねに付加的な前提となっているのである。……こういった行政の依存関係をたぶん明らかにする例としては、道路交通の安全向上、予防衛生の拡大、教育制度の普及と統一化の増大、都市近距離交通の大量交通手段への転換、環境保護の改善、通貨価値の