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無線リンクにおける最適パケットサイズの検討 G99P119-8　　福田　浩章 研究の目的 無線リンクおいては電波の受信状態によって通信性能が変わる 現在広く普及している規格では、パケットサイズの値は一定値に定められており動的に変化することはない 　 無線リンクにおけるビット誤り率を考慮し，最適パケットサイズが通信性能に対してどれだけ有効であるかを考察する 無線リンクの通信 有線リンクに比べてビット誤り率が高い ビット誤り率10-8～ 10-6程度が通信の限界 ビット単位の消失が起きた場合、そのビットを含むパケット全体がパケットエラーとなる 通信環境とパケットサイズ 電波の受信状態が良い場合 パケットの消失はほとんど起きない パケットサイズ大のほうが効率がいい 電波の受信状態が悪い場合 パケットの消失が頻発する パケットサイズ小のほうが効率がいい 実験概要 シミュレーションによる実験 無線LAN環境における実験 パケット消失率 パケット成功率をPSR、ビット誤り率をBERとするとパケット消失率PERは以下の式で求められる PER = 1 – PSR PER = 1 – (1 – BER)8×MTU パケットサイズの増加に伴い、パケット消失率も線形に増加する シミュレーションによる実験 無線LAN 環境における実験 S/N比が13dB前後の値をとるときにパケットサイズを変動させながらスループットを測定 無線LAN 環境における実験 まとめ ビット誤り率ごとに最適パケットサイズを設定することで、通信性能を向上させることができる。 実際の無線リンクにおいても電波の受信状態が悪い状況では、MTU がデフォルト値よりも小さい方がスループットは大きくなる 　 無線リンクにおける最適パケットサイズの 適用は有効である シミュレーションによる実験 無線LAN環境における実験 無線LAN環境における実験 * * それでは発表を始めさせていただきたいと思います。 テーマは福田さんの論文 「無線リンクにおける最適パケットサイズの検討」です まずこの研究の目的について説明します。 無線リンクにおける通信では、電波の受信状態によって通信の性能が変わってきます。 しかし、現在広く普及している製品の規格ではパケットサイズの値はデフォルトで一定値に定められていて、電波の受信状態によって動的に変化することはありません。 そこでこの研究では、無線リンクにおけるビット誤り率を考慮して、最適パケットサイズを適用することが、通信性能に対してどれだけ有効であるかを考察していきます。 まず無線リンクの通信について 無線リンクにおける通信は有線リンクとは異なった特性を持っています。 その中でももっとも異なるのがビット誤り率の高さです。 一般的に、無線リンクでは有線リンクに比べてビット誤り率は非常に高くなってしまいます。 ビット単位の消失が発生した場合、そのビットを含むパケット全体がパケットエラーとなってしまうので、無線リンクにおいてはパケット消失が不規則に引き起こされてしまいます。 本来、TCP/IPはビット誤り率の低い有線リンクを前提として設計されているので、無線リンク上で利用する場合、十分なパフォーマンスが得られない場合があります。 次に通信環境とパケットサイズの関係について説明します。 安定した通信環境においてはパケットの消失はほとんど発生しません。 そのため、パケットサイズが大きいほうが、パケットヘッダによるオーバーヘッドが少なくなるため、通信の効率はよくなります。 反対に、通信環境が悪い場合、ビットの消失によるパケット消失が頻発するため、パケットサイズが小さいほうがパケット消失率が小さくなります． また，パケットの再送による影響も小さくなるので，効率のよい通信が行えるようになります。 これらの点から、通信環境が常に一定ではない無線リンクにおいては、通信環境を考慮しつつ，最適なパケットサイズを選択することが求めれられます。 この結果をもとに，実際に，パケットサイズとパケット消失率がスループットにどのような影響を及ぼすのかをシミュレーションによって測定しました。 この実験では、PC3台によるネットワークを構成し、1台をルータ、残りの2台を測定用端末として測定を行いました。 ルータ用端末においてdummynet（ダミーネット）を利用し、パケット消失率を設定してランダムにパケットを消失させます。そして、MTUの値を変化させてスループットを測定します。 測定結果は下の表のようになりました。 この結果から、ビット誤り率が高くなるにつれて、最適なパケットサイズが小さくなっていくことがわかります。 結果はこのグラフのよ