平成17年度水稲生育診断協議会報告.docVIP

平成１７年７月４日分 平成１７年度水稲生育診断協議会報告（第１回） １．気象概況（福岡管区気象台） 　（１）４月：高温?少雨?多照 　　?高気圧に覆われて晴れの日が多く、少雨多照となった。気温は中旬に一時的に寒気の影響を受けた以外は、平年を上回る日が多く月平均でも平年より高くなった。 （２）５月：高温?少雨?多照 　?上旬に平年を上回る雨が降った他は、高気圧に覆われて晴れの日が多く、少雨多照となった。気温は一時的に寒気の影響を受けたが、平年を上回る日が多く、月平均でも平年より高くなった。 （３）６月：高温?少雨?多照 　?平年に比べ梅雨前線が小さく少雨多照となった。10日頃の梅雨入り以降もまとまった雨が降らず、6月に入ってからの降水量は平年の24％でかなり少なくなっている。気温は時期を通して概ね平年を上回っている。 4~6月の山口の旬別観測値　 月 旬別 最高気温℃ 最低気温度℃ 積算降水量mm 積算日照時間h 今年 前年 平年 今年 前年 平年 今年 前年 平年 今年 前年 平年 ４月 上旬 20.1 18.9 17.1 8.3 5.3 6.6 27 36 65 45 79 59 中旬 20.6 24.9 18.8 7.2 11.1 7.8 49 96 55 73 72 65 下旬 23.5 22.1 21.0 10.3 8.5 10.0 0 101 53 83 84 62 平均 21.4 21.7 19.0 8.6 8.4 8.2 76 234 172 201 236 185 ５月 上旬 22.7 23.7 22.6 12.8 13.5 11.8 96 88 62 63 56 64 中旬 23.9 22.7 23.3 12.4 15.6 12.9 22 197 90 86 32 57 下旬 26.0 25.6 24.8 13.0 15.7 14.2 0 71 51 108 72 73 平均 24.3 23.8 23.6 12.7 15.0 13.0 118 357 202 257 159 194 ６月 上旬 27.1 27.3 26.1 17.6 16.4 16.5 8 6 64 62 76 58 中旬 29.4 28.6 26.6 18.0 18.6 18.3 41 12 89 76 69 55 （４）今年の梅雨入り 　　?福岡気象台は「山口県を含む九州北部地方6月10日頃梅雨入りしたとみられる」 と発表した。 ２．県内の水稲生育概況 　（１）県内の状況 　　①5月上旬植えは葉色の発現が遅く、活着遅れによる分げつの発生が遅れる。しかし、5月下旬以降は回復している。 　　②5月下旬以降の移植では活着～分げつの発生が極めて良好となった。分げつが多く、草丈は短めである。葉色は平年並み～濃く、葉齢の進展は1～2日程度早い。 　（２）山間部 　　①5月上～中旬植えコシヒカリは、平年に比べ草丈は長く、葉齢はやや進んでいる。茎数はやや多く、葉色はほぼ平年並み。 　　②5月上～中旬植えひとめぼれ、晴るるは、平年に比べ草丈は長く、葉齢はほぼ平年並み。茎数はやや少なく、葉色はほぼ平年並み。 　（３）平坦部 　　①5月中～下旬植えコシヒカリは、平年に比べ草丈は短く、葉齢は平年並み。茎数はやや少なく、葉色はやや濃い。 　　②5月上～中旬植えひとめぼれ、晴るるは、平年に比べ草丈はやや低く、葉齢はほぼ平年並み。茎数はかなり多く、葉色はやや濃い。 ＊6月15日現在の田植え進捗率は、県平均87％（前年同期88%）となっている。 ３．今後の栽培管理のポイント 　（１）一般管理 　　①茎数が確保できた圃場では、中干しを行う。但し、用水状況に応じて対応を行う。 　　②干ばつ対策及び今後の水管理を容易にするため、必ず作溝を行う。 　　③おもち病の発生は確認されていないが、不要な補植え用苗は確実に処分する。 　　④穂肥は、幼穂長?葉色を確認して肥用する。 　（２）干ばつに対応した水管理 　　①用水が不足する地区では、計画排水に努める。特に、遅植え地帯で活着期の圃場は潅水する。また、幼穂形成期を迎える圃場はできるだけ土壌水分を確保する対応を行う。 　　②最高分げつ期を迎える圃場で、用水がない場合は断水する。また、中干し時期であっても積極的な落水を避ける。用水が不足気味のところも積極的に中干しを避け、圃場が乾け、走水をするなどの強い間断潅水状況で管理する。 　　③今後、十分な降雨があった場合は、基本的な水管理を行い。ただし、中干し状態となっていた圃場では急激な潅水は避ける。