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3.1節　沖積低地 3.1.1 沖積低地における調査計画例１（関東地区） (1)建築計画a 敷地の位置?形状 建設予定地は東京都江東区の東京臨海部で昭和初期から埋め立て造成が行なわれた地区にあたり，沖積低地に位置する平坦な市街地に位置し，敷地の広さは約50m×60m，形状は整形である． b 建築物概要 敷地内の計画建築物は，地上8階，地下なしの事務所ビルである．構造種別はSRC造であり，柱間のスパンも大きいため１柱あたりの荷重は比較的大きいと考えられる．(2)事前調査 文献調査および敷地周辺での既往地盤調査資料により，地盤概要の調査を行った． これらの資料によれば，調査地は図3.1.1に示すように東京湾に流入する河川の侵食により最終氷期以降に形成された埋没谷部分に位置している．この埋没谷は多摩川，江戸川の河川付近，千葉臨海部など東京湾の臨海部に広く分布している．これらの埋没谷付近では，海水面の上昇により厚く沖積層が堆積し，表層部は人工的な埋立造成が行なわれ現在に至っている．したがって，東京礫層，固結シルトなど支持層に適した堅固な地盤が比較的浅く分布する山の手台地と異なり，N値が低い沖積層が厚く分布することが予想された． 近隣での地盤調査結果による地層構成は，GL－40ｍ付近まではN値の低い粘土層，シルト層，GL-45m～-50m付近にはN値30～50程度の細砂層，その下位のGL-60ｍ付近よりN値50以上の砂礫層が出現すると想定された． Ｎ値50以上の砂礫層を支持層とする杭基礎が大きな支持力を得られると考えられるが，杭先端がGL-60m以深となることが想定され，コスト的に大きな負担となることが予想された． 事前調査の結果からはN値50以上の地層はGL-60m以深で出現する．調査深度としては、支持層厚を確認するため70mとし，1m毎に標準貫入試験を行う． 調査箇所数は想定される中間細砂層の水平方向への分布を確認する必要があるほか，敷地の平面的な大きさを考慮して4箇所とする． 事前調査に基づいて推定した地盤の変形係数から想定される杭径での１／βを算出すると約10ｍとなった。そこで、調査深度は基礎梁せいを考慮して，GL-15ｍまでの範囲で約4～5ｍ毎に異なる地層で計3箇所行うものとする． 各地層の性状を把握するため，代表的な地層毎に1箇所で行う．試験項目は粒度試験，湿潤密度試験，含水比試験，液性限界，塑性限界試験などとする．文献調査によれば調査地における地層の細粒分含有率は高く液状化の恐れは小さいと考えられたが、地層構成を確認するためにGL-20mまで1m毎に粒度試験を行うこととする杭の周面摩擦力，中間層を支持層とした場合にその下部の粘性土層の支持力，および沈下量算定のため，各粘性土層について１箇所，一軸圧縮試験（拘束圧が大きいと考えられる深部では三軸圧縮試験），圧密試験を行う． 以上より決定した調査数量を表3.1.1に，調査仕様を表3.1.2に示す． 表3.1.1 調査数量 調査孔 孔径 (mm) 深度 (m) 標準貫入 試験（箇所） ???????? (箇所) 孔内水平 載荷試験 一軸 圧縮 三軸 圧縮 圧密 No.１ 66 70 70 － － － － － No.２ 66～116 70 63 7 － 3 4 7 No.３ 66 70 70 － － － － － No.４ 66～86 70 70 － 3 － － － 表3.1.2 調査仕様  想定土質柱状図＊１ ボ － リ ン グ 孔 径 標 準 貫 入 試 験 孔 内 水 平 載 荷 試 験 サンプリング 室 内 土 質 試 験 シ ン ウ ? | ル デ ニ ソ ン ト リ プ ル チ ュ | ブ 物理試験 力学試験 深 さ ｍ *2 土 質 名 Ｎ　値 土 粒 子 密 度 含 水 比 粒 度 *3 液 性 ? 塑 性 湿 潤 密 度 一 軸 圧 縮 三 軸 圧 縮 標 準 圧 密 10 30 50 0 2 116 ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6 ○ ○ 8 ○ ○ ○ 10 ○ ○ 12 ○ ○ ○ 14 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 16 ○ ○ ○ 18 ○