公共用水域地下水に係る.docVIP

公共用水域及び地下水に係る水質の現況 １　公共用水域 （１）河川 平成2３年度における河川の水質測定は、水質測定計画に基づき105河川144地点で実施した（生活環境に係る環境基準の類型指定水域は68河川81水域）。 ア　人の健康の保護に関する項目（健康項目） ふっ素１地点、ほう素８地点で環境基準を達成しなかった。ふっ素、ほう素超過の要因としては、海水の影響によるものである。（表１）。環境基準設定に伴い平成12年度から評価を開始したふっ素、ほう素は、環境基準未達成地点が多い状態が続いているが、ほとんどが海水や地質由来の自然要因である（図１－１）。 イ　生活環境の保全に関する項目（生活環境項目） BOD 河川の代表的な汚濁指標であるBODについては、平成23年度の環境基準達成率は87.7％（類型が指定されている81水域のうち71水域で達成）と前年度（85.2％）に比べさらに上昇した（図１－２）。 水域別に見ると、神崎川水域、大阪市内河川水域については高い達成率で推移しており、大和川水域、寝屋川水域および泉州諸河川水域についても、近年は上昇傾向が見られる（図１－３）。 主要な河川のＢＯＤの経年変化を見ると、淀川、神崎川、寝屋川、大和川については長期的な傾向として、濃度が低下している。（図１－４）。 亜鉛 　　水生生物の保全に係る水質環境基準項目である全亜鉛をみると、環境基準が定められている63水域のうち58水域で基準を達成し、その達成率は92.1％（前年度96.8％）であった。 　　なお、水生生物保全に係る環境基準については、平成18年の環境省告示で1水域、平成21年の環境省告示で3水域、大阪府告示で59水域が類型指定されている。 （２）海域 　 　平成２３年度における大阪湾の水質測定は、水質測定計画に基づき大阪府域では22地点（うち環境基準点は15地点）、兵庫県域では44地点（うち環境基準点は14地点）で実施した。 ア　人の健康の保護に関する項目（健康項目） 　　　　昭和47年度の測定開始以来、兵庫県域を含め全ての地点で環境基準を達成している。 イ　生活環境の保全に関する項目（生活環境項目） 海域の代表的な汚濁指標であるＣＯＤについては兵庫県域を含め12水域に類型が当てはめられている（図１－５、左）。そのうち8水域が環境基準を達成しており、環境基準達成率は長年にわたり66.7％である。（大阪府域の環境基準点15地点で見ると７地点で基準値を満足しており適合率は46.7％である。） また、富栄養化の主要な原因物質とされている全窒素、全りんについては兵庫県域を含め3水域に類型が当てはめられており（図１－５、右）、平成２３年度は全窒素、全りん共に全水域で環境基準を達成した。 ＣＯＤの全層（表層、中層または底層）年平均値の経年変化を見ると、長期的な状況として横ばいの傾向が見られる（図１－６）。 　　　 全窒素、全りんの表層年平均値の経年変化を見ると、全窒素及び全りん共に近年概ね減少傾向である（図１－７、図１－８）。 ２　地下水 （１）概況調査 平成23年度の水質測定計画に基づき、83地点の井戸水について、環境基準28項目を対象に概況調査を実施した結果、3地点（3.6％）で環境基準を超過した（表2-１、図2-１）。 　　表2-２に各年度における概況調査の超過状況を示す。また、図2-２に平成19年度から平成23年度までの概況調査の測定地点を示す。 　 　　 項目 調査 地点数 超過 地点数 府域の 超過率(％) 超過地点 １,２-ジクロロエチレン 80 1 1.3 大阪市平野区加美北 鉛 78 1 1.3 大阪市浪速区敷津西 塩化ビニルモノマー 78 2 2.6 大阪市平野区加美北 八尾市西弓削 全体（地点実数） 83 3 3.6 　 　*：同一地点で複数の項目が未達成となる場合があるため年度によって合計が合わない場合がある。   　　【図2-2　平成19～23度 概況調査 測定地点図】 （２）汚染井戸周辺地区調査 　　平成22年度までの概況調査等により有害物質による周辺の地下水汚染が懸念される17地区(93地点)について、汚染範囲の確認等のため汚染井戸周辺地区調査を実施した結果、2