第二章中国寒冷地域建設業のニーズ 幌市.docVIP

Version 2012/04/20 中国寒冷地域建築技術とニーズに関する調査 北京パシフィック投資諮詢中心 2012年4月 目　次 前書き 2 第一章　中国寒冷地域の概況 3 1．中国寒冷地域の地理的定義 3 2．北海道と中国の寒冷地域の気候比較 4 第二章　中国寒冷地域建設業のニーズ 6 1．中国建設市場の構造 6 2．中国寒冷地域建設業の動向と需要 16 3．中国建設分野における規格 28 4．中国寒冷地域建築技術の現状と課題 29 第三章　北海道企業の製品?技術の中国市場におけるニーズ 49 1．A社（設計） 49 2．B社（プレキャストコンクリート） 50 3．C社（コンクリート） 51 4．D社（コンクリート） 52 5．E社（雪氷冷熱?換気廃熱の融雪装置） 53 6．F社（ゴム） 54 7．G社（断熱材?パネルヒーター） 54 8．H社（防水） 55 9．I社（ボイラー） 56 10 J社（換気廃熱の融雪装置） 56 11．全体的評価 56 第四章　中国市場進出の注意事項 58 1．中国建設市場の商習慣 58 2．中国市場開拓に関する提案 59 前書き 本調査報告書は、北海道の建設企業が中国寒冷地域の建設市場に進出するに当たって行う前期調査である。我々は公開されているデータや資料などを収集?整理するとともに、多くの業界専門家、研究者及び企業経営者にヒアリングした上で整理?分析を行った。これらの調査研究を通じて、中国の寒冷地域建設業に関して全般的、基本的状況を把握することができた。第一章　中国寒冷地域の 1．中国寒冷地域の地理的定義 図表1-1に示すように、中国の国家規格『民用建築熱工設計規範』（GB50176-1993）によれば、気候によって中国は以下5つの建設熱工地域に分けられている。 厳寒地域（月平均最低温度は≤-10）。黒龍江省?吉林省の全域、及び内モンゴル自治区?新疆ウイグル自治区?チベット自治区?青海省?寧夏回族自治区?甘粛省の一部地域。 寒冷地域（月平均最低温度は-10~0）。吉林省?山西省?陝西省?河北省?山東省?北京市?天津市の全域、及び遼寧省?内モンゴル自治区?新疆ウイグル自治区?チベット自治区の一部地域。 夏熱冬冷地域 夏熱冬暖地域 温和地域。 図表1-1　中国の建設熱工設計の区域分け 出典：「中国の建設熱工設計の区域分け」（築龍省エネネット2010年8月22日）と『民用建築熱工設計規範』（GB50176-1993）をもとに整理作成。 そのうち、厳寒地域と寒冷地域の冬は非常に寒く、月平均最低温度が0以下で、北海道の寒冷技術を最も必要とする地域とも考えられる。そのため、本調査では、中国の厳寒地域と寒冷地域を主な調査対象とし、しかもこの2つの区域を区別せずに、統合して「寒冷地域」とする。 2．中日両国の寒冷地域の気候比較 図表1-は最も寒い月（1月）の中日両国の寒冷地域における一部都市の数年平均の気候データである。 地理的位置から見れば、北海道の中国の長春市の緯度とほぼ同じである。ただし、北海道が海洋性気候であるのに対して、長春市は大陸性気候であるため、気温は長春市より若干高く、降水量もかなり多い。 1月の気温を見れば、札幌市の気温は北京市と近く、旭川市の気温は瀋陽市の気温と近い。そのことから、北海道の寒冷技術は、中国北京市周辺の華北地域及び瀋陽市周辺の東北地域南部に最も適すると考えられる。 ただし、中国寒冷地域の各都市の1月の降水量が非常に少ないため、大雪を想定する北海道の建設技術（例えば融雪技術）は、中国にとってそれほど必要とされるものではない 図表1-　の寒冷地域主要都市の1月の気候比較（1959~2008年） 中国 北京市 瀋陽市 長春市 ハルピン市 札幌市 旭川市 緯度 39.9 41.8 43.8 45.8 43.1 43.8 月平均最高気温（℃） 2 -5 -10 -13 -1 -4 月平均最低気温（） -9 -17 -20 -24 -8 -13 月平均降水量（mm） 3 7 4 4 111 74 出典：緯度はgoogle地図の検索により、気温と降水量は新浪ネットの天気チャンネルによる。 第二章　中国寒冷地域建設業のニーズ 1．中国建設市場の構造 中国建設市場には、主要な運営主体として事業者、設計企業、材料企業と施工企業（元請負企業、下請専門企業、下請労務企業）がある。 図表2-1　中国建設工事の流れ 建設市場の事業者は不動産デベロッパー、投資者などである。事業者は建設プロジェクトを進める中で、建築材料や技術の調達を決める権力を握っている。従って、中国市場に進出したい北海道