外国人の人権享有主体性-dab.hi.docVIP

1編　憲法総論 1章　憲法の意義と立憲主義の展開 1-1憲法の意義 ［1］憲法の意味 　【1】はじめに 　　（1）憲法の必要性 　　（2）憲法の意義→国家権力の濫用を抑制して国民の権利自由を守る 　【2】憲法と国家 　　　　　?国家の三要素＝領土／2人以上の人／主権 　【3】立憲的意味の憲法の固有の意味の憲法 　　（1）立憲的意味の憲法（近代的意味の憲法） 　　　　　?権力の制限による自由の保障（自由権の保障＋権力分立）→フランス人権宣言16条 　　（2）固有の意味の憲法 　　　　　?国家の統治の基本を定めた法→時代や国家を問わずにありうる 　【4】実質的意味の憲法と形式的意味の憲法 　　（1）実質的意味の憲法 　　　　　?内容に着目した憲法概念→立憲的意味／固有の意味 　　（2）形式的意味の憲法 　　　　　?形式に着目した憲法概念→憲法という「法形式」をとって存在しているかどうかの問題 ［2］憲法の法源 　【1】成文法源→条約／法律／議院規則／最高裁判所規則／条例 　【2】不文法源→イギリスにおける慣習憲法／事実上の拘束力としての憲法判例 ［3］憲法の分類 　【1】成文憲法と不文憲法→憲法典が存在するか否か 　【2】硬性憲法と軟性憲法→憲法改正の手続の硬軟 　【3】欽定憲法と民定憲法→憲法の制定主体が君主か国民か 　【4】近代型憲法と現代型憲法 ［4］憲法規範の特質 　【1】授権規範性→国民自身が憲法をつくり国民の権利を制限する作用を下位の法規範に授権する 　【2】制限規範性→無制限な授権では国家権力の濫用を防止できないから憲法による枠付けを行う 　【3】最高法規性→制限規範性を実効的なものとするため 　【4】基本価値秩序としての憲法 1-2憲法の生成と立憲主義の展開 ［1］近代立憲主義の成立 　【1】近代以前と立憲主義（古典的立憲主義）→権力名宛人の利益保護／個人の利益は国家の利益に吸収 　【2】中世立憲主義→身分的特権のための権力の抑制 　【3】中世から近代→身分的特権の保障から個人の人権の保障へ／権力の分散から国家への主権集中へ 　【4】市民革命期―→被支配者による利益確保＝私的領域の確保＝人権保障と権力分立（立憲的意味の憲法） ［2］近代立憲主義の内容 　【1】消極国家→国家による干渉は警察／防衛など必要最小限にとどめて人権保障を図る 　【2】ヨーロッパ型とアメリカ型 　　（1）議会中心主義（英仏） 　　　　　?議会への信頼→国民代表議会が法律によって人権を保障＝行政権の濫用から人権擁護／合憲性は議会判断 　　（2）徹底した権力分立（米） 　　　　　?議会に対する不信→三権対等＝裁判所の違憲審査権（議会＝法律から人権を守る） ［3］近代立憲主義の危機 ［4］現代立憲主義 　【1】積極国家化（社会国家化）→社会権の保障／「国家からの自由」から「国家による自由」（実質的自由） 　【2】議会制の変貌（政党国家現象） 　【3】行政権の役割増大（行政国家現象） 　　（1）背景 　　　　　?福祉主義の要請に応えるためには、専門的技術的判断と迅速円滑な対応が必要 　　　　　　　→執行機関にすぎない行政権が、国家の基本的政策決定の中心的役割に（委任立法／法案提出） 　　（2）問題点 　　　　　?権力分立の趣旨を没却（自由主義の脅威）／国民意思と離れた国会意思形成の危険（民主主義への脅威） 　　（3）行政国家現象への歯止め 　　　　　?議会制民主主義の復権→議院内閣制／国会中心立法の維持／地方自治による補完／国政調査権 　　　　　?裁判所の権限の見直し→行政機関による終審裁判禁止／違憲立法審査権の付与 　【4】憲法の規範力強化の試み（司法国家現象） 　　　　　?担い手は通常の司法裁判所（英米系）／憲法裁判所（大陸系） 2章　憲法の基本原理 2-1根本価値としての個人の尊厳 2-2憲法原理 ［1］基本構造 　　　　　?目的は「個人の尊厳」→不可欠のものとして「自由主義」と「平等主義」／「福祉主義」が補完 　　　　　　　→手段として「民主主義」と「平和主義」 　　　　　　　→制度的に維持発展させるために「権力分立」と「法の支配」が基盤 ［2］自由主義→個人の尊厳を保障するには人格的自律権（各人の生き方を自分で決める自由）が不可欠 ［3］民主主義 　　　　　?民主主義＝治者と被治者の自同性 　　　　　?政治的価値の根源は国民に存する＋人権保障にもっともふさわしい手段（参政権／国民主権） ［4］平等主義→個人の尊厳を保障するにはすべての人が平等である必要 ［5］福祉主義 ［6］平和主義 　【1】憲法における平和主義 　【2】前文の平和主義 　　　　　?われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有するこ