日本自動車メーカーの中国戦略.docVIP

日本自動車メーカーの中国戦略 01ｗ108　下地　修次 １：はじめに ２：中国主要乗用車販売実績 ３：中国自動車産業の現状 ４：日本メーカーの戦略 （１）ホンダの戦略について （２）トヨタの戦略について （３）日産の戦略について ５：今後の行方 ６：おわりに １：はじめに ?自動車産業のグローバル化という点で、いま最も注目を集めているのは中国でしょう。最後に残された巨大市場であり、WTO加盟により開放政策を促進して、外資が進出しやすい環境が整備されつつあるからです。近年の著しい経済発展で、上海を中心とした東部沿岸部では富裕層も急増し、マイカー需要が著しく伸びていくことが約束されているのも世界の自動車メーカーにとっては大きな魅力といえます。中国主要乗用車メーカー販売実績（2002年）メーカー名 販売台数　（シェア％） 主な車種 上海VW 301,095 　(23.8) サンタナ、パサート 第一VW 207,858 　(16.4) ジェッタ、アウディ 上海GM 110,763 　(8.8) ビュイック、セイル 一汽天津 95,433 　(7.5) シャレード 神龍汽車 85,088 　(6.7) シトロエン 長安鈴木 65,018 　(5.1) アコード、オデッセ 広州ホンダ 59,151　 (4.7) アルト、カルタス 奇瑞汽車 50,155 　(4.0) チェリー 吉利汽車 45,972 　(3.6) 美　日 風神汽車 41,060 　(3.2) ブルーバード 　1990年代当初、中国自動車市場にあまり乗り気でなかった、日本の自動車メーカー各社であるが、ここにきて本格的な自動車生産体制の確立に本腰を入れ始めてきた。しかし、ここでも先発組と後発組との販売シェアには大きな差がつき始めている。1985年に中国自動車産業に参入したドイツのフォルクスワーゲンは、上海汽車（上海市）と第一汽車（長春市）という「三大」自動車メーカーのうちの「二大」メーカーとの合弁で、すでに年間乗用車生産が36万台（2001年）に達している。年間乗用車生産台数72万台は、前年比54％増の113万台、SUVなどの車種も含めると59.6％増の126.5万台となる）のうちのおよそ半分ほどを占める規模となっている。 中国自動車市場での販売台数は2001年に前年比11％増の72万1000台を超えた。今後数年以内に、中国は世界で最も発展の速い、また規模最大の市場になるだろう。ここで、先行者としての勝利の“果実”を摘むことができるのが、中国市場の開拓に最も早く着手したホンダだ。長年にわたり中国自動車市場の周縁を“偵察行動”してきたトヨタと日産は当然、中国市場に短期間のうちに生み出された巨大な潜在力を無視することはできず、それに加え、中国が世界貿易機関（WTO）に加盟したことによる将来性を見れば、両社が「再び市場に参入する」時期はすでに熟したと言える。過去、技術提携にとどまっていた２大手が現地生産を始めた場合、まず直面する強大競争相手は、かなりの実績を上げている欧米メーカーではなく、製品構造や経営戦略の面で極めて類似するホンダである。仏の自動車メーカー、プジョーが業績不振から撤退した後の工場をホンダが1998年に引き継いだホンダの中国における合弁会社 広州本田汽車有限公司（以下、広州本田）は、現地生産車種であるアコードのフルモデルチェンジを行なった。販売価格は、2.4L i-VTECで259,800元（約390万円＊）。年間で約70,000台の販売を見込んでいる。（＊1元＝15円で換算） 　このアコードは、昨年9月よりアメリカで販売されている北米向け新型アコードをベースに、中国の道路事情や使用条件に合わせた仕様の変更を行ったもので、高い品質、信頼性、安全性に加えて、優れた走行性能、居住性?機能性、スポーティなスタイリングを実現している。広州本田は1999年3月の操業開始までに累計で約39,000台を生産?販売しているが、今回のフルモデルチェンジにより更なる拡販を狙う広州本田は、アコードの生産に加えて2002年4月にオデッセイを追加、さらに2003年夏には小型セダン、フィット サルーンの生産も開始する予定で、年間生産能力についても、2003年2月には現在の5万台から12万台へ、2004年春には24万台へと拡大する。2002年の生産実績は約59,000台、操業開始から2002年末までの累計生産販売台数は153,000台を超えている。また、2003年は112,000台の生産を計画している。 従業員 １，７００名 生産能力 乗用車６万台 生産台数 ２００１年アコード５万台 主要モデル アコード２、３L（１９９９年３月）、アコード２、３L（２