中小企業の資金調達手法.docVIP

中小企業の資金調達 神奈川ＬＳＧ研究会 税理士　田添　正寿 Ⅰ.資金調達の分類 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　企業間信用 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　短期借入 　　　　　　　　　　　　　外部金融　　　　　　間接金融 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長期借入 資金調達源泉　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　社債発行 直接金融 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　 株式発行 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　利益留保 　　　　　　　　　　　　　内部金融（自己金融）　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　減価償却 　 外部金融とは、企業外部から資金を調達することであり、それはさらに、直接金融、間接金融、企業間信用に分類できる。 内部金融とは、自己金融ともよばれ、事業活動によって自ら生み出した資本による調達である。利益留保と減価償却による調達。 直接金融とは、株式や社債などの有価証券を発行して資本を調達する方法である。 内部金融とは、支払手形や買掛金による取引から生じる資金調達である。 株式発行 株式は、原則として返済の必要のない安定した資金の調達源泉である。株式の種類には、優先株式、普通株式といったものがある。 　優先株式とは、議決権はないが利益の配当や残余財産の分配において、他の株式に対して優先的地位を与えられているものである。 社債発行 社債は、返済義務のある資金の調達源泉である。社債には、担保の有無から、担保付社債、無担保社債に分類されるほか、発行の方法から、額面発行、割引発行、割増発行に分類される。 　 企業間信用 　　　　企業間信用とは、支払手形や買掛金による取引のことをいう。売買代金の決済を行わず、一定期間経過後に行うことによって、買い手からすれば決済資金の節約分だけ資金調達を行ったことになる。 利益留保 企業の決算の結果により計上された当期未処分利益は、株主総会の承認を得て、配当金?役員賞与金の支払、利益準備金?任意積立金の積み立て、次期への繰越しといったかたちで処分される。このうち、配当金、役員賞与金は社外流出となるが、利益準備金?任意積立金?次期繰越利益金は社内に留保され、これが利益留保による資金調達である。 減価償却 　　　　　減価償却は、現金支出を伴わない費用の計上であり、減価償却相当額が企業の内部に留保されることになる。 　　 　　　　　資料（1）参照 Ⅱ.間接金融 政府系金融機関 ?国民生活金融公庫 　個人事業者や小規模法人等が対象 ?中小企業金融公庫 　製造業等については、資本金1億円以下または従業員300人以下の企業 　卸売業については、資本金3千万円以下または従業員100人以下の企業 　　　　　　中堅規模以上の企業が対象 　　　　?商工中金（商工組合中央金庫） 　　　　　商工組合等の組合に入っている中小企業が対象　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　等々 　　　　公的融資のメリット?デメリット 　　　メリット 民間金融機関と比べ低金利である 固定金利であるため資金計画が立てやすい 比較的長期の返済である 担保や保証人の要件が軽い デメリット 融資の決定までに時間がかかる 必要書類が多く手続きが煩雑である 緊急の資金手当てには不向きである 　　　Ｅｘ.1 国民金融公庫の事業ローン　　資料（2）①参照 　　　　借入目的は、運転資金、必要資金は1,000万円　　　　 　　　　　　融資を引出すポイント　　　 運転資金は、借入決定額が少ないため、設備資金と運転資金の併用で借入申込 　　　　運転資金は、3?月分程度の人件費、仕入額等であり、300万円から500万円程度 　　　　設備の見積書を多めに作成してもらう 　　　　必要資金が1000万円であれば、申請は多めに1500万円程度で申込む　　　　 自治体制度融資 　神奈川県中小企業制度融資 　資力の乏しい中小企業への融資の促進を得るため、神奈川県は融資に必要な資金の一部を「呼び水」として金融機関に預託し、神奈川県信用保証協会は中小企業者の信用保証を行い、金融機関は神奈川県の定める条件で中小企業者に融資するものである。 　　　 　　Ｅｘ.2 創